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更新日: 2025年12月12日

がんばれない日の“湯船の5分”。寒い季節にできるセルフケア

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冬って、どうしてこんなに気力が抜けやすいのでしょう。帰ってきたら部屋は散らかっているし、洗いものを見るだけでため息が出る。「今日はもう無理」と思う夜、誰にでもありますよね。そんな日にこそ、湯船に“5分だけ”浸かる時間が効きます。長風呂じゃなくていいし、特別な準備もいりません。肩まで沈んで深呼吸をひとつ。湯気が顔にあたるだけで、張りつめていた気持ちがすっとゆるむ。がんばれない日の立て直しに、たった5分のお湯が思った以上に力をくれます。

湯船につかると、気持ちがゆるむ

バスタイムイメージ
出典:Adobe Stock

冬になると、体の疲れよりも先に心がぐっと重たくなる瞬間があります。外の冷たい空気に触れた途端に肩がぎゅっと上がって、そのまま一日を過ごしてしまう。帰宅してドアを閉めた瞬間、張りつめていたものが全部どっと落ちてきて、動けなくなる日もあります。

部屋に入って視界に入るのは、畳めていない洗濯物、出しっぱなしのマグカップ、床に置き去りになった靴下。どれも大したことじゃないけれど、「今日もできなかったな」と落ち込む材料に変わってしまう。冬の散らかりって、ただの生活の痕跡なのに、不思議と自分を責める材料になりやすいんですよね。

そんな夜、わたしは湯船に肩まで沈んでみることにしています。
ただ湯気を吸って、目を閉じて、少しだけ呼吸を長くする…。

ひと息つくだけでいい。お風呂は「整える場所」じゃなくていい

わたしは湯船に浸かる前に、必ずふーっと息を吐く癖があります。扉の外で深呼吸をすると、そこで一度スイッチが切れる感じがして、「よし、入ろう」と思えるからです。冬の夜、玄関を開けた瞬間からずっと張っていた気持ちが、その一呼吸で少しだけ落ち着く。そんな“小さな合図”みたいな習慣です。

すると、浅くなっていた呼吸がゆっくり深くなり、胸のつかえが少しだけ下りる感覚が生まれます。湯気がふわっと視界を曇らせてくれると、部屋の散らかりも、今日つまずいた出来事も、いったん脇に置ける。

長風呂を目指す必要もありません。むしろ、“がんばらない入浴”のほうが続きます。冬のお風呂は「整うため」ではなく「ひと息つくため」の場所。お湯の重さに身を預けると、張っていた心がじんわり戻ってくる。そんな小さな変化が、冬を乗り切るうえで意外と大きいんです。

5分だけのバスタイムでも、ちゃんと効く

バスソルト
撮影:ワタシト編集部

「お風呂に入るならちゃんと入らなきゃ」

この考え方が、冬の夜を余計しんどくしていることがあります。湯船をためるのさえ面倒で、気づけばシャワーすら浴びずに寝落ちしてしまう日もある。それを「だめな日」と思ってしまうと、さらに入浴のハードルが上がってしまいます。

でも、5分でいいんです。わたしの5分は、本当に5分。

お湯にお気に入りのバスソルトを入れ、体を沈めたら目を閉じて、指先がじんわり温かくなるのを待つ。それだけ。
途中でスマホを見ることもないし、特別なケアをするわけでもない。“何もしない”と決めて入ると、5分でも驚くほど気分が変わります。

肩まで浸かったら、あとは深呼吸をひとつ。体温が少し上がるだけで、固まっていた筋肉がゆるみ、気持ちも自然とやわらぎます。

「続けなきゃ」を手放すと、湯船はもっとやさしくなる

「今日は入れた」という事実そのものが、冬の自分を支えてくれる。それが続くと、「昨日より今日」「今日より明日」と、少しずつ“復活の幅”が大きくなる。セルフケアって、実はそういう積み重ねが大切だと思うのです。

とにかく疲れが溜まりやすい冬。日照時間が短くなって気分が落ち込みやすかったり、寒さで体がこわばりやすかったり、理由はいろいろ。そんなときに頑張りすぎたり決め事を作ってしまうと、気持ちまで沈んでしう。だからこそ、セルフケアに“継続”を求めないほうがいい。

大切なのは、「できたときだけやればいい」という軽さです。その軽さが、湯船を“入れる日”の確率を自然と上げてくれる。5分のお湯は私にとって、冬をゆっくり前に進めるためのちょうどいい時間なのです。

家事が回らない日は、先にあたたまる

冬の家事が進まないのは、わたしの性格の問題じゃありません(多分)。乾かない洗濯物、冷たいシンク、やたら増える洗い物。冬の家事はひとつひとつの工程が重く感じられます。

そんな日こそ、わたしは片付けよりも先に湯船に入ります。
片づけようとしても、気力がついてこない日は無理に動かない。先に体を温めると、「洗い物は3つだけやろう」みたいな小さな区切りが自然に生まれるんです。これは“サボり”じゃなくて、わたしの中では“回復の順番を変える”というだけ。

そして不思議なことに、あたたまったあとだと、同じ量の家事でも体感がまったく違う。湯船に浸かる前は“山”に見えていたことが、入ったあとは“小さな丘”くらいに感じられる。これは気のせいじゃなく、体温が上がることで血流や気分が持ち直すから。

片づけは逃げない。シンクも洗濯物も、明日の朝やってもまったく構わない。

わたしにとって冬の夜の“あたたまる”という行為は、自分に甘えることじゃなくて、家事をきちんと回すための準備です。

湯船の中で行う“小さな儀式”

バスタイムイメージ
出典:Adobe Stock

湯船に浸かる時間は短くても、ほんの少しの行動で「整う感覚」がぐっと強まります。大げさなことではなくていい。たとえば、このくらいのこと。わたしのバスタイムの小さな“儀式”を紹介します。

 深呼吸をゆっくり3回

呼吸が整うと、心拍も落ち着き、気分が自然にやわらぎます。

 脱衣所の灯りを少し落とす

明るすぎる光は緊張を生みます。灯りを弱くすると、一気に“夜のスイッチ”に切り替わります。

好きな香りをタオルに1滴

アロマオイル
撮影:ワタシト編集部

アロマオイルでも、柔軟剤の香りでもいい。湯気と混じると、ほっとする瞬間が生まれる。

目を閉じて湯の音だけを聞く

湯の揺れる音や生活音の遠さが、“今ここ”に集中させてくれる。

ここで大事なのは、全部やろうとしないこと。「今日はこれにしようかな」と、選ぶ程度の緩さが、儀式を“ご褒美の5分”に変えてくれます。

がんばれない夜に、お湯ができること

こんなふうに、わたしは“できた日だけ”この5分を取り入れています。無理な日はしない。できる日はやる。それだけのゆるい決まりごとが、冬をなんとか回してくれるんだと思います。

湯船の5分は、がんばれない夜の立て直しにぴったりの時間です。肩まで沈んで深呼吸をひとつするだけで、冷えていた体も気持ちもすっとやわらぎます。

長くなくていいし、毎日できなくてもいい。冬は、少しでも温まったらそれがもう“今日を乗り越えた証”。最近は「風呂キャンセル」という言葉をよく見かけますが、入れない日があって当たり前です。疲れた日、寒すぎる日、どうしても動けない日。それは“だめな日”じゃなく、ただの“冬の日”。

できた日はそれで充分だし、できなかった日は普通。それくらいゆるい距離感で、お風呂と付き合っていい。寒い季節は、お湯のあたたかさにちょっと助けてもらいながら過ごす。それだけで、冬の寒さが少しやさしく感じられるかもしれません。

※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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編集者
ライター
おだりょうこ
猫と旅、音楽と映画で形成されたライター&エディター。旅欲が止まらない旅ジャンキー。料理は作るの食べるのも好き。日々の暮らしにひとさじほどの丁寧さを意識することを心がける日々。
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