
焼くだけなのに、ちゃんとおいしい。ズッキーニで作る初夏の副菜
気温も湿度も上がってくる6月は、料理を頑張りすぎないくらいがちょうどいい。そんな日に作りたいのが、ズッキーニを焼いてレモンとミントを合わせるだけのシンプルなサラダです。焼き目の香ばしさと爽やかな香りが楽しめる一皿は、ワインのお供にも、あと一品ほしい日の副菜にもぴったり。初夏の食卓によく似合うレシピをご紹介します。
目次
スーパーでズッキーニを見かけたら、夏の始まり

6月になると、スーパーの野菜売り場にズッキーニが並び始めます。鮮やかな緑色のものや、黄色いもの。以前は少し特別な野菜という印象がありましたが、最近ではすっかり身近な存在になりました。
ズッキーニの旬は6~8月頃。見た目はきゅうりによく似ていますが、実はかぼちゃの仲間です。とはいえ、食べた印象はかぼちゃとも少し違います。きゅうりのような青臭さは少なく、火を通すとやさしい甘みが出てくる。味に強いクセがないので、さまざまな料理に使いやすい野菜です。
ラタトゥイユやパスタの具材として使うことも多いですが、私がいちばん好きなのは、シンプルに焼いて食べること。火を通すことで余分な水分が抜け、甘みとうま味がぐっと濃くなります。
旬の野菜は、手をかけるほどおいしくなるというより、余計なことをしないほうがおいしいことがあります。ズッキーニも、まさにそんな野菜。表面に焼き色がつくだけで香ばしさが生まれ、中はとろりとやわらかくなる。その変化が楽しくて、毎年この季節になるとつい買い物かごに入れてしまいます。
レモンとミントで、初夏らしい一皿に
焼いたズッキーニに合わせるのは、レモンとミント。味付けだけを見ると驚くほどシンプルですが、この組み合わせがとてもよく合います。ミントというと、お菓子や飲み物に使うイメージがあるかもしれません。私も以前は、モヒートやデザートのイメージが強く、料理に使う発想はあまりありませんでした。
でも、ズッキーニと合わせると印象が変わります。焼いたズッキーニは甘みが増し、どこかまろやかな味わいになります。そこにレモンの酸味を加えると輪郭が生まれ、さらにミントの爽やかな香りが加わることで、全体がぐっと軽やかになるのです。味そのものを大きく変えるというより、風を通すような役割。蒸し暑くなり始める6月の食卓に、ぴったりの組み合わせだと思います。
全部をミント味にする必要はありません。葉を数枚ちぎって散らすだけで十分です。ほんの少しなのに、家で作った副菜がどこかレストランの前菜のような雰囲気になるから不思議です。お好みでフェタチーズや粉チーズを散らすのもおすすめ。塩気とうま味が加わり、ワインとの相性もさらによくなります。
焼きズッキーニとミントのレモンサラダ レシピ

・ズッキーニ…1本
・ミント…5~6枚
・レモン汁…大さじ1
・オリーブオイル…大さじ1と1/2
・塩…少々
・黒こしょう…少々
・フェタチーズまたは粉チーズ…お好みで
焼き目がつくだけで、ごちそうになる

ズッキーニのおいしさを引き出すコツは、こんがりと焼き色をつけることです。レシピでは1cmほどの厚さに切っていますが、これは食感を残すため。薄すぎると水分が抜けすぎてしまい、ズッキーニらしいみずみずしさがなくなってしまいます。
フライパンに並べたら、あまり動かさずに焼くのもポイントです。料理をしていると、つい気になって何度も裏返したくなりますが、ここは少しだけ我慢。焼き目は、待った人にしか与えられません。表面は香ばしく、中はとろり。この食感のコントラストがあるからこそ、シンプルな味付けでも満足感のある一皿になります。
私は、忙しい日の料理は、「どれだけ手をかけるか」ではなく、「どこを頑張らないか」が大切だと思っています。
切る。
焼く。
盛り付ける。
やることはそれだけ。それなのに食卓に並べると、不思議と手抜きには見えません。むしろ、素材の味をきちんと楽しんでいるような気持ちになります。
季節を知らせてくれる一皿

毎日、手の込んだ料理を作るのは難しいものです。仕事が忙しい日もあれば、ただなんとなく疲れている日もあります。そんな日は、「今日はもう切って焼くだけで勘弁してほしい」と思うことだってあります。
でも、旬の野菜はそんな日にも味方になってくれます。ズッキーニを焼いて、レモンをしぼって、ミントを散らす。たったそれだけで、季節を感じる一皿ができあがります。
スーパーの野菜売り場でズッキーニを見かけたら、夏の訪れはすぐそこ。季節を知らせてくれる食材があると、毎日のごはんは少しだけ楽しくなる。このサラダも、そんな一皿です。
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