
桃が並び始めたら。桃とモッツァレラのミントサラダ
夏になると、スーパーの果物売り場で立ち止まる回数が増えます。理由は、桃が並び始めるから。私は果物の中でも、とくに桃が大好きです。よく冷やして、そのまま頬張るだけでも十分幸せ。でも、毎年一度は必ず作るのが、桃とモッツァレラのサラダです。この味に出会ったのは、イタリアを旅していた夏でした。甘い桃が料理になるなんて思ってもいなかった私にとって、小さな驚きだった一皿です。
桃が並ぶと、夏が来たと思う

私にとって、桃は夏を知らせてくれる果物です。スーパーに並び始めると、「今年もこの季節が来たな」と、つい足を止めてしまいます。甘い香りに誘われて買い物かごへ。そんなことを毎年繰り返しています。
桃はそのまま食べるのがいちばん好きです。冷蔵庫でよく冷やして、果汁をこぼしながら頬張るだけで、「夏っていいな」と思えます。
でも、このサラダだけは少し特別。この味に出会ったのは、イタリアを旅していた夏でした。路地裏の小さなレストランだったのか、広場の近くのカフェだったのか、もう覚えていません。でも、「桃が料理になるんだ」と驚いたことだけは、今でもはっきり覚えています。
果物はデザート。
そんな思い込みがあった私には、新鮮な出会いでした。
一口食べると、桃の甘さにモッツァレラのやさしいコク、オリーブオイルの香りが重なり、「なるほど、こういう食べ方があるんだ」と感動したのです。
旅先で出会った料理は、景色より長く記憶に残ることがあります。
このサラダも、私にとってそんな一皿です。
桃とモッツァレラのミントサラダ レシピ

・桃…1個
・モッツァレラチーズ…1個
・ミント…5~6枚
・レモン汁…小さじ2
・エクストラバージンオリーブオイル…大さじ1
・塩…少々
・黒こしょう…適量
桃とモッツァレラは、驚くほど相性がいい
初めて食べるまでは、「桃とチーズなんて合うのかな」と半信半疑でした。でも、この組み合わせは驚くほど自然です。桃のみずみずしい甘さに、モッツァレラのミルキーなコク。そこへオリーブオイルを回しかけ、黒こしょうをひと振りすると、甘さが引き締まり、大人の味になります。
さらにレモンを少し絞れば、全体がぐっと軽やかに。暑い日でもするすると食べられる、夏ならではのおいしさです。「果物を料理に使うなんて」と思っていた私が、毎年必ず作るようになった理由も、きっとそこにあります。
ミントが入ると、一気に夏になる

家で作るようになってから、私が加えるようになったのがミントです。イタリアで食べた一皿を思い出しながら何度か作るうちに、「もう少し爽やかさがあってもいいかもしれない」と思い、合わせてみました。これが大正解。
桃の甘さとモッツァレラのまろやかさの間を、ミントの香りがすっと通り抜けていきます。味を大きく変えるというより、風を通すような存在。ほんの数枚散らすだけなのに、食卓が一気に夏らしくなります。
お好みで生ハムを添えれば、塩気がアクセントになり、ワインにもよく合う前菜になります。
旅の記憶は、食卓でもう一度出会える

旅の楽しみは、その土地の景色だけではありません。「あの味、おいしかったな」と思い出して、家で作ってみる時間もまた、旅の続きなのだと思います。
このサラダを作るたび、私はイタリアで過ごした夏を思い出します。でも、特別な材料は必要ありません。スーパーで桃を見つけたら、モッツァレラとミントを買い足すだけ。それだけで、いつもの食卓に少しだけ旅の空気が流れます。
もしミントが余ったら、ぜひティーポットやマグカップに入れて、熱いお湯を注いでみてください。爽やかな香りがふわりと立ち上り、やさしいミントティーができあがります。夏はつい冷たい飲み物ばかり選んでしまいますが、ときには温かい一杯をゆっくり飲むのもいいものです。冷房でひんやりした体も、ほっと緩むような気がします。
私にとって桃は、夏を知らせてくれる果物。
そしてこのサラダは、夏になると何度でも食べたくなる、旅の思い出の味なのです。
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