
体験談で学ぶ地方移住の住まい選び!後悔しない地方の物件探しとチェックポイント
東京圏から地方へ移住した私たち夫婦が、理想の暮らしを叶えるために物件探しをどのように進めたかを体験談ベースで紹介。ネット未掲載物件や交通・インフラの注意点、家賃相場のギャップなど、実際に住んでみてわかったリアルなチェックポイントをまとめています!
目次
はじめに

私たちは東京圏で数年間働いた後、夫婦で地方への移住を決めました。きっかけはコロナ禍で会社がテレワーク制度を導入したことです。「好きな場所で暮らしながら働ける」と思い切って移住に踏み切りました。
前回の記事では、移住にかかる初期費用をサポートしてくれる「移住支援金」について紹介しました。今回はその連載第2弾として、実際の物件探しの体験談をもとに、地方移住ならではの住まい探しのコツや注意点をお伝えします。
あわせて読みたい:移住支援金のリアル体験談を公開!実際に使ってわかった地方移住のノウハウとは?
地方移住の物件探しはどう進めた?
地方移住を考えた当初は、「ネットで探せばすぐ見つかるだろう」と思っていました。ところが、地域によって掲載サイトや情報量がバラバラで、大手サイトだけでは探しきれませんでした。
地方では地元密着型の不動産会社が多く、ネット非公開の物件も多いのが実情。私たちは現地の不動産会社に直接問い合わせ、生活の利便性を重視して、スーパーや公共交通へのアクセスがよいエリアを中心に探すことからはじめました。
ただし、物件探しのタイミングが4月の繁忙期と重なり、気に入った物件がすぐ埋まってしまうことも。今振り返ると、もう少し早めに動けば良かったと思います。
地方移住で物件を決める方法

地方移住で最初に直面するのは「住まいの確保」です。住まいは、移住後の生活の快適さや費用に直結するため、取得方法や探し方を事前に理解しておくことが大切です。ここでは、賃貸と購入の2つの方法を中心に、実践的なポイントを紹介します。
物件を賃貸する
はじめて移住する場合は、まず賃貸で住んでみるのがおすすめです。知らない土地でいきなり購入するリスクを避けられるだけでなく、実際に暮らしてみて地域との相性や生活のしやすさを確認できます。
賃貸物件を探す基本的な方法
・地元の不動産会社:地域密着型の会社は、ネットに出ていない優良物件を紹介してくれることもあります。条件を伝えて、希望に近い物件をいくつかピックアップしてもらうのがおすすめです。
・移住支援センターや地域の方への相談:地元の人や移住担当者に聞くと、空き家情報や非公開物件の情報が得られることもあります。
私たちの夫婦は、最初の物件は賃貸を選びました。私たちの住む物件は“更新費がかからない”というメリットもあり、移住先に慣れてから空き家バンクなどを活用して引っ越す、という選択肢も考えています。
物件を購入する
移住先で購入を考える場合は、賃貸より慎重な判断が必要です。知らない土地での購入は初期投資が大きく、契約後に後悔しないように情報収集が欠かせません。
購入物件を探す基本的な方法
・地元の不動産会社:希望条件を伝えることで、現地の事情に詳しい担当者から優良物件を紹介してもらえます。
・自治体の空き家バンク:格安で古民家や戸建てを取得できる可能性があります。リフォーム費用やメンテナンスも考慮が必要です。
・移住相談窓口や地域住民へのヒアリング:現地の生活環境や安全面を踏まえ、購入候補物件の情報をもらえることがあります。
購入の際は、物件自体だけでなく、周辺の生活利便性や交通、医療・教育施設なども考慮するのが重要。賃貸で一度暮らしてみてから購入するケースも多く、失敗リスクを減らす方法として有効です。
地方移住での物件選びの進め方

ステップ1:理想の暮らしを整理する
まず大切なのは、「どんな暮らしをしたいか」を明確にすることです。
・子育てしやすい環境で、自然教育や地域のつながりを重視したい
・山の近くでアウトドアや登山を楽しむ暮らしをしたい
・都内と地方を行き来しながら仕事をしたいのか
理想とする暮らし方によって、選ぶ地域や物件の条件は大きく変わります。私たち夫婦の場合、移住の目的でもあった「海へのアクセスのよさ」と、スーパーや公共交通機関が利用しやすい環境を重視しました。当時は車を持っていなかったため、「生活に不便すぎない場所」であることも大切な条件でした。
ステップ2:住みたい地域を決める(周辺環境の把握)
地方では、同じ県内でも気候や暮らしの雰囲気が大きく異なります。私は居住エリアを3か所に絞り、実際に家を決める前に数日間滞在して確かめました。朝晩の街の様子を観察したり、買い物や移動の利便性を体験したりすることで、短期滞在でもリアルなギャップが分かります。
・生活インフラの確認:光熱費(プロパンか都市ガスか)、インターネット回線の速度
・交通アクセス:駐車場の有無、バスや電車の本数
・周辺環境:スーパーや病院、学校など生活に必要な施設までの距離
実際に、夜は街灯が少ないことや公共バスの本数が少ないこと、渋滞がひどいエリアなど確認ができたのはよかった点です。こうした事前のチェックを行うことで、住んでからの後悔を防げます。
ステップ3:自治体や地域の空き家バンクをチェック
地方の物件探しでは、自治体が管理する「空き家バンク」の活用もおすすめです。相場より安く、掘り出し物に出会えることもあります。ただし築年数が古い物件も多いため、現地見学の際にリフォーム費用の目安を確認しておくといいでしょう。自治体によっては、リフォーム補助金を利用できるケースもあります。
私たち夫婦の場合は、仕事の都合で急遽引っ越す必要があったため空き家バンクは利用できませんでした。それでも、空き家バンクを使えば一軒家での暮らしなど、地方移住ならではの生活スタイルも選べるので、とても魅力的だと感じます。
ステップ4:引っ越し時期のスケジュールを決める
物件を決めるタイミングはとても重要です。私たちは春の引っ越しピークに重なり、気に入った物件がすぐ埋まってしまいヒヤリとしました。地方では都市部より物件数が少なく、とくに人気エリアは早めに動くことが成功のカギです。
また、移住支援金などを利用する場合は、付与のタイミングも事前に確認しておくと安心。初期費用や契約日とのバランスを考えながらスケジュールを組むことをおすすめします。
地方移住の物件探しで感じた注意点

地方の物件探しでは、東京での感覚が通用しないことが多くありました。実際に住んでみて感じた、注意しておくべきポイントを紹介します。
交通手段は「車前提」が多い
都心なら電車やバスで移動できますが、地方では自家用車がほぼ必須です。私たちも移住当初は車を持っておらず、免許取得からスタートしました。車を運転できない場合は、交通手段の確認は必須です。また、地方ではバスが1時間に1本、電車は30分に1本など、都会ではあまりない状況も一般的。駅やスーパーまでの距離なども必ずチェックしましょう。
実際に地元の人に聞いたところ、徒歩5分の距離でも車移動が基本とのこと。そのため、渋滞の多いエリアや通勤・通学ルートも事前に確認しておくと安心です。
生活にかかるトータルコストは都会と変わらない場合もある
地方は家賃が安い物件も多いですが、家賃だけで生活費を考えると意外な落とし穴があります。地方では車が必須で、維持費やガソリン代がかかります。さらに、都市ガスが使えずプロパンガスを利用する地域では光熱費も割高になることがあります。スーパーや日用品の価格も、必ずしも都会より安いとは限りません。
そのため、家賃だけで物件を決めると、トータルで見ると、都会とほとんど変わらない生活費になることもあります。物件選びの際は、家賃だけでなく生活全体のコストを把握することが重要です。
地域によって生活環境やルールは大きく異なる
地方移住では、ゴミ出しのルールや自治会への参加など、地域ごとの独自ルールを事前に確認しておくのが大切です。
・地域のお祭りや行事への参加もある
・田舎ほど消防団や町内会の活動など、地域の人々との関わりが濃い
人付き合いが苦手な方にはストレスになることもあるので、住むエリア選びは慎重に。田舎ほど地域コミュニティとの関わりが濃くなる傾向があります。事前にルールを把握しておくことで、引っ越してからのトラブルやストレスを避けやすくなります。
理想の暮らしと生活のしやすさのバランスが重要
地方移住で物件を選ぶときは、理想の暮らしばかりを追い求めると、思わぬ不便に直面して、失敗につながることもあります。インターネット環境や病院・スーパーへのアクセスなど、生活インフラの事前チェックは必須です。
私の場合、移住後に妊娠して気づきましたが、地域によっては産婦人科まで車で30分以上かかる場所もあり、生活のしやすさの重要性を実感しました。中心地に近ければ問題ありませんが、郊外では不便を感じることもあります。理想の暮らしと生活のしやすさのバランスの意識が、移住成功のポイントです。
地方移住での物件探しは、移住前の環境とのギャップに注意!
地方移住では、理想の暮らしだけでなく、生活のしやすさや地域特有のルールも確認することが重要です。交通手段や生活インフラ、自治会など、都会ではそれほど気にしなくてもよいことも多く存在します。
私たち夫婦も、物件探しを通して「理想と生活のバランス」を意識することが移住成功のカギだと実感しました。移住を考える方は、単に家の見た目や立地だけでなく、生活全体をイメージして物件を選ぶことをおすすめします。これが、地方移住で快適な暮らしを実現するための第一歩です。
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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