
海外で運転するなんて無理、と思っていた私へ。おとなの一人旅ドライブ入門
海外旅行でドライブを楽しむ人って、なんだか別のステージにいるように見えていました。知らない道を、知らないルールで、普通の顔して走っていく人たち。私はといえば、日本でもたまに道を間違えるし、右折のタイミングで軽く人生を見つめ直すタイプです。だから思っていました。海外で運転? 無理。普通に迷って終わる。——でも、あるとき気づいてしまいました。運転できたら、この旅、めちゃくちゃ自由じゃない?と。この回では、国際免許の取り方からレンタカーの借り方、そして“実際に運転するときに効いたコツ”まで。びびり代表として、できるだけリアルにお伝えします。
目次
海外で運転するための第一歩。「国際免許証」はむずかしくない

海外で運転するために必須なのが「国際免許証書」です。名前がいかついだけでやることはシンプル。国際運転免許証は、日本の免許証を海外でも通用させるための“翻訳証明書”。これ単体では使えず、日本の免許証とセットで持つ必要があります。
取得方法(拍子抜けするくらい簡単)
・必要なもの:日本の免許証、パスポート、証明写真
・費用:約2,000~3,000円(各自治体によって異なります)
・早ければその日にもらえる
これで終わりです。 試験もなければ、緊張する場面もありません。「海外で運転する」という言葉の重さに対して、 この手続きの軽さ、ちょっと肩透かしです。
知っておきたい前提
・更新はできないので、必要な場合は再申請する
・すべての国で使えるわけではない
・必ず日本の運転免許証と一緒に持つ
・渡航先で運転できるか、事前に確認する
国際運転免許証は、取ればどこの国でも運転できる“世界共通パスポート”ではありません。日本で発行される国際運転免許証は、基本的にジュネーブ条約に加盟している国や地域で有効とされています。警視庁も、国外運転免許証が有効な国としてジュネーブ条約締約国などを一覧で公表しています。
とはいえ、日本人が観光でよく行く国は、かなりカバーされています。たとえば、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、スウェーデン、タイ、シンガポール、マレーシア、韓国、オーストラリア、ニュージーランドなどは対象に含まれます。
ただし、国や地域によっては追加書類が必要だったり、レンタカー会社ごとに確認される内容が違ったりすることもあります。出発前に、渡航先の大使館・観光局・レンタカー会社の公式サイトで確認しておくと安心です。
レンタカーはどう借りる?迷ったら“公式サイト”

海外レンタカーと検索すると、便利な比較サイトがずらっと出てきます。条件を入れれば最安値もすぐに出てきて、見ているだけで賢くなった気がします。ただ、この“賢くなった気”に、ときどき裏切られます。私も一度、比較サイトで予約しました。結果、旅のスタートでしっかり気力と体力を消耗しました。
比較サイトで起きた、いくつかのこと
まず、レンタカー会社の場所。
「空港近く」と書いてあったのに、実際はまあまあ遠いです。シャトルバスで移動するのですが、そのバスが来ない。来たと思ったら満席。この時点で、まだ運転していないのに軽く疲れています。
そして車種。
予約した車は、いません。代わりに出てきたのは、「まあ似たようなものですよね?」という顔をした別の車です。そして極めつけ。AT車を予約したはずが、用意されていたのはMT車でした。
一瞬、思考が止まります。いや、止まっている場合ではありません。ここは海外です。「オートマをお願いしていたはずなのですが」と言うと、「今日はこれだけですね」と、さらりと返されました。軽やかすぎます。
MT車を普段運転していない人にとって、これはほぼ詰みです。なんとか別の車を手配してもらいましたが、そのやり取りでしっかり体力を持っていかれました。
さらに、保険。
予約時には入っているつもりだったのに、現地では「これはカバーされていません」と言われ、追加加入。英語で一気に説明されて、「ちょっと待ってください」と思ったころには、話は次のステップに進んでいます。気づば、“なんとなく納得した状態”でサインしていました。
だから、公式サイトのほうが平和です
こうした経験を経て思うのは、最初から公式サイトで予約したほうが、結果的にかなり平和ということです。具体的には、以下のような大手レンタカー会社があります。
・Avis(エイビス)
・Europcar(ユーロカー)
・Sixt(シクスト)
いずれも世界的に展開しているレンタカー会社で、空港や主要都市での受け取りもしやすく、安心感があります。
私がよく利用しているのは、Hertzです。理由はいくつかあります。まず、日本法人があるため、日本語で予約ができるという点。海外での予約は、それだけで少し緊張しますが、日本語で内容を確認できるだけで、理解度と安心感がまるで違います。
さらに、JALのマイルに交換できるのも地味にうれしいポイントです。運転しているだけなのに、あとからマイルになって返ってくる。なんだか少し得した気分になります。
もちろん、どの会社を選ぶかは旅のスタイルによりますが、共通して言えるのは、
・現地との情報にズレがない
・トラブル時に話が通じやすい
この3つがそろっていることへの信頼度は、かなり高いです。
海外では、「聞いていない」はわりと普通に起きます。だからこそ、“最初から話を合わせておく”ことが、いちばんラクです。
ATかMTかは、しつこいくらい確認
日本とは異なり、海外ではMT車が主流の国も多いです。そのため、指定しないと普通にMT車が出てきます。そしてときどき、指定しても出てきます。
なので、
・予約確認メールでも再確認
・当日カウンターでも念押し
この三段構えくらいでちょうどいい。「言わなくてもわかるだろう」は、通じません。本当に通じません。
カーナビはどうする?スマホを使えば一気にラクになる

レンタカーにもカーナビは装備されていますが、当然ながら日本語で案内してくれることはほとんどありません。英語で「Turn right(右折)」と言われても、 頭の中で一瞬翻訳しているうちに、すでに交差点を通り過ぎていることがあります。そこでおすすめなのが、スマホをナビとして使うことです。
スマホナビが安心な理由
普段使い慣れているGoogleマップやAppleマップなら、 日本語で案内してくれるうえ、操作も直感的です。
・渋滞や通行止めにも対応
・そのままお店情報も確認できる
「迷っても戻れる」というこの安心感が、とても頼りになります。
スマホをカーナビとして使うための事前準備はこの2つ
・eSIMや現地SIMを用意
郊外に出ると、普通に圏外になります。 地図が開けないだけで、一気に不安が増えます。あらかじめダウンロードしておくようにしましょう。
最近は、CarPlay・Android Autoが使える車も増えています。スマホを車のディスプレイに接続することでナビがそのまま大きな画面に表示されて、 音声も車のスピーカーから流れる。これだけで、運転のストレスがかなり減ります。
最大の不安「右側通行」は事前準備とコツで乗り切る

海外ドライブ最大の壁、左ハンドルと右側通行。出発前に、その国のルールと標識をざっと確認しておくことをお勧めします。国によって、制限速度の単位や標識、優先ルールは少しずつ異なります。全部を覚える必要はありません。ただ、出発前にざっと目を通しておくだけで、現地で「あ、これ見たやつだ」と思える瞬間が増えます。知らない道では、この“見たことある”がかなり心強いです。
自分は常にセンターライン側にいる
右側通行でも左側通行でも、 運転席は必ずセンターライン側にきます。つまり、「自分が道路の真ん中寄りにいるか」を意識すればいい。これだけで、逆走のリスクはかなり減ります。
曲がるとき、とくに左折は慎重に
直進は意外と問題ありません。注意が必要なのは曲がるとき、とくに左折です。対向車線を横切る形になるため、日本の右折と同じような感覚になります。一呼吸おいて確認するだけで、安全性が大きく変わります。
ウインカーとワイパーは一度は間違えます
左ハンドルの車では、ウインカーとワイパーの位置が日本と逆になっていることがあります。曲がろうとしてワイパーが動く。これはほぼ通過儀礼です。一度やれば、次からは大丈夫です。
ラウンドアバウトは「信号のない円形の交差点」

海外で運転していると、かなりの確率で出てくるのがラウンドアバウトです。簡単に言うと、信号の代わりに円形の道路をぐるっと回って進む交差点です。日本ではあまり見かけないので、最初に遭遇すると少し戸惑いますが、慣れれば信号待ちがない分、快適なドライブを楽しめます。
まずは構造を理解する
ラウンドアバウトは、以下のような仕組みです。
・その周りを車がぐるっと一方向に回っている
・各方面から車が流入・流出する
つまり、「交差点で止まる」のではなく、「流れに入って、流れから出る」という考え方です。
基本ルールはシンプル
最初に覚えるべきはこれだけです。
・空いているタイミングで合流する
・出口の手前でウインカーを出す
これさえ押さえておけば、通過できます。
実際の動きはこうなる
2. 右(右側通行の場合)から来る車を確認
3.車が途切れたタイミングで合流
4.円の流れに乗って走る
5.出たい出口のひとつ手前でウインカー
6.そのまま抜ける
最初は忙しく感じますが、一つひとつ分解するとシンプルです。
レーンが複数ある場合の考え方
大きなラウンドアバウトでは、車線が2つ以上あります。基本の考え方は、
・奥まで行く(直進・右折)→内側レーン
ただし、道路標識や地面の表示で指示されていることが多いので、最初は無理に判断せず、外側レーンで無理のない動きを意識すれば大丈夫です。
間違えても、やり直せる
ラウンドアバウトのいいところは、出口を間違えても、そのままもう一周できることです。普通の交差点のように、「あ、間違えた」で終わりません。もう一周して、落ち着いて出口を選べばいい。この“やり直しがきく構造”は、かなりありがたいです。
正直に言うと、最初はちょっと怖いです。でも、2回目から急に慣れます。「なるほど、こういう流れか」と腑に落ちる瞬間がきます。ラウンドアバウトは、“知らないと怖い”だけで、“仕組みを知れば普通に通れる交差点”です。最初の一周をクリアできれば、海外ドライブのハードルはぐっと下がります。
海外ドライブという選択が、旅を変える

海外でレンタカーを借りる。そう聞くと、手続きも運転もハードルが高そうに感じます。でも実際は、想像しているよりずっとシンプルです。予約は基本的にオンラインで完結するし、運転も、日本で日ごろ運転している人であれば、コツさえ押さえれば十分対応できます。
もちろん、最初は少し緊張します。右側通行やラウンドアバウトに戸惑う瞬間もあります。それでも、数十分走るうちに、だんだんと感覚がつかめてきます。「あ、いけるかもしれない」と思える瞬間が、ちゃんと訪れます。
そしてその先にあるのが、圧倒的な自由です。
どこで止まるか、どこまで行くか、全部自分で決められる。気になった道に入ってみることも、予定になかった場所に立ち寄ることもできる。電車やバスでは行きにくい場所、そもそも公共交通機関がほとんどないような場所にも、自分の意思でたどり着けるようになります。
必要なのは、ほんの少しの準備と、勇気だけ。
最初の一歩は、免許センターに行くこと。そこから先は、思っているよりちゃんと進めます。そして気づいたときには、“運転できること”が、旅の選択肢を広げていることでしょう。
特集「大人の一人旅」はこちら

あわせて読みたい:言葉が通じなくても、旅はちゃんと進む。 大人のひとり旅で知っておきたい「会話しない」安心術
あわせて読みたい:空港で不安になるのは情報が見えないから。大人のひとり旅・移動時間の安心術
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
※本記事に掲載する一部の画像はイメージです。
※本記事の内容の真実性・確実性・実現可能性等については、ご自身で判断してください。本記事に起因して生じた損失や損害について、編集部は一切責任を負いません。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がユアマイスター株式会社に還元されることがあります。

















