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更新日: 2026年2月1日

がんばらない大人の一人旅へ。スリランカで、自分を甘やかす1週間

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大人女性のみなさん、「アジアなんて、若い人向けでしょ?」そんなふうに思っていませんか?事実、20代のころの私はバックパックひとつで東南アジアを弾丸で旅しました。寝台列車で酔い、屋台でお腹をこわし、意味もなく走り回っていたあの頃。でも、大人になった今だからこそわかるアジアの魅力があります。それが、スリランカでした。

インド洋に浮かぶこの島は、歴史と文化、自然と人々の“距離感”が絶妙で、ひとりでぼんやりしているだけで旅になる国なのです。今回は、旅に慣れてきた大人女性だからこそ心地よく味わえる、スリランカ一人旅の魅力をご紹介します。

スリランカってどんな国?

シギリヤロック
撮影:ワタシト編集部

スリランカは、インド亜大陸の南端から少し離れたインド洋に浮かぶ島国。地図で見ると、大きなインドのそばに、ぽつりと置かれたしずくのような形をしています。この姿が、宝石の台座に留められた真珠のように見えることから、スリランカは古くから「アジアの真珠」と呼ばれてきました。

インドと地理的にはとても近いのに、実際に訪れると空気感は驚くほど穏やか。ヒンドゥー文化の影響を受けながらも国の軸には仏教があり、時間の流れがどこか丸い。

国土は日本の北海道ほどの大きさですが、その中にビーチ、ジャングル、高原、茶畑、世界遺産がぎゅっと詰まっています。移動距離は短いのに景色の変化が激しい。この密度の高さもまた、スリランカの魅力のひとつです。

大人の一人旅に、スリランカをすすめたい理由

スリランカ旅行
撮影:ワタシト編集部

年齢を重ねると、旅に求めるものが変わってきます。たくさん見たい、たくさん動きたい、という欲よりも、「どんな時間を過ごしたか」が、あとから効いてくる。スリランカは、その感覚にとても正直な国です。

にぎやかすぎない。でも、静かすぎない。一人でいても、妙に孤独にならない。何かをしなくても、ちゃんと旅として成立する余白がある。この余白の質が、大人の一人旅には、ちょうどいいのです。

アーユルヴェーダで、旅の疲れをリセットする

アーユルヴェーダ
撮影:ワタシト編集部

スリランカは、アーユルヴェーダ発祥の地。ニゴンボやコロンボの街中にもサロンはありますが、大人の一人旅なら、ホテル併設の専用サロンをおすすめします。理由は、衛生面と安心感。そして何より、「身を預けていい空気」がちゃんとあること。

少し割高に感じるかもしれませんが、日本で同じ内容を受けることを考えれば、体感的には半額ほど。ここで節約しようとする自分に、「もう十分がんばってきたでしょ」と言ってあげたい。

私が受けたのは、全身オイルマッサージとシロダーラのコース。温かいオイルが、遠慮という概念を持たずに、全身に塗り広げられていきます。この時点で、頭のどこかが諦めました。「あ、今日はもう何も考えなくていい日だ」と。

アーユルヴェーダ
撮影:ワタシト編集部

仕事のこと、将来のこと、ちゃんとしている大人でいようとする努力。それらは、オイルと一緒に、順番に床へ落ちていきます。全身マッサージが終わるころには、自分の体の輪郭が、だいぶ曖昧。続くシロダーラでは、額に垂れるオイルの感触に抵抗する間もなく、意識が遠のきました。気づいたら、見事に爆睡。起きたとき、視界がやけにくっきりしていて、頭の中のノイズが、きれいに消えているではありませんか!

アーユルヴェーダ
撮影:ワタシト編集部

「癒された」というより、強制シャットダウン。がんばりすぎていた自分が、システム側から電源を落とされた感じで。一人旅だからこそ、誰にも気を使わず、だらしなく眠れる。この贅沢が年齢を重ねた今、ありがたく感じました。

バワ建築という贅沢に委ねる

ヘリタンスカンダラマ
撮影:ワタシト編集部

スリランカ滞在で、もっとも強く記憶に残ったのがホテル「ヘリタンス・カンダラマ」での時間でした。設計したのは、スリランカを代表する建築家、ジェフリー・バワ。インフィニティプールという概念を世界に広めた人物としても知られています。

ただし、ここで言う「すごい建築」は、ピカピカとか、ゴージャスとか、そういう話ではありません。チェックインして、ロビーに足を踏み入れた瞬間、まず思うのは――

「え、岩あるけど?」

ヘリタンス・カンダラマ
撮影:ワタシト編集部

ホテルの中に、どう見ても昔からそこにあった巨大な岩が何事もなかった顔で鎮座しています。装飾でも、オブジェでもなく、「動かせなかったので、そのままにしました」という潔さ。壁をよく見ると、建築が岩を避けて伸びているのがわかります。

岩を削るのではなく、建物のほうが一歩引いている。この時点で、ああ、ここは「自然を支配する場所」ではないんだな、と悟ります。廊下を歩いていても、突然、視界の先に森が現れたり、壁だと思っていた場所が、実は外だったりする。ホテルの中と外の境界が、意図的に曖昧。自分が今、建物の中にいるのか、ジャングルの一部なのか、少しわからなくなる。それが、不思議と心地いい。

ヘリタンス・カンダラマ
撮影:ワタシト編集部

部屋に戻ると、大きなガラス窓の向こうには、何層にも重なった緑。カーテンを閉めるのが、少しもったいなく感じます。高級なのに、緊張しない。ラグジュアリーなのに、気取らない。それどころか、「人間のほうが、ちょっとお邪魔しています」という立場に置かれる。この感覚こそが、ヘリタンス・カンダラマの贅沢だと思いました。

ヘリタンス・カンダラマ
撮影:ワタシト編集部

値段が高いからラグジュアリーなのではなく、体験が深く、記憶に残るからラグジュアリー。大人の一人旅で、「どこに泊まったか」が、そのまま旅の質になるとしたら、ここは、間違いなく白眉です。

スリランカカレーは「一皿の料理」ではない

スリランカカレー
撮影:ワタシト編集部

スリランカ料理と聞いて、「カレーでしょ?」とひとことで片づけてしまうのは正直、とてももったいない。スリランカカレーは、一皿で完結する料理ではありません。混ぜて、迷って、だんだんわかってくる奥深さがあるのです。基本は、ごはんのまわりに並ぶ複数のカレー。チキンや魚のカレー、豆のカレー、青菜、ココナッツ、酸味のある副菜。色も香りも、バラバラです。

スリランカカレー
撮影:ワタシト編集部

最初は、「どれから食べるのが正解なんだろう」と戸惑いました。でも、正解なんて、ありません。少しずつ混ぜていく。混ぜすぎて失敗したと思っても、次のひと口で、急にバランスが取れる。スリランカカレーの特徴は、スパイスの強さではなく、層の多さ。辛さ、酸味、甘み、苦み。どれかが前に出すぎないよう、ちゃんと引き算されています。

派手じゃない。
でも、飽きない。

むしろ、食べ進めるほど、静かに深くなっていく。これはもう、大人の味覚のためのカレーだと思いました。

シギリヤロックには、登っておこう

シギリヤロック
撮影:ワタシト編集部

スリランカ中部に広がる「文化三角地帯」は、この国の歴史と精神性がぎゅっと詰まったエリアです。アヌラーダプラ、ポロンナルワ、ダンブッラ。そして、その中心にそびえるのが「シギリヤロック」。高さおよそ200メートル。巨大な一枚岩の頂上に、5世紀ごろ、王宮が築かれました。

王はカッサパ1世。王位をめぐる争いの末、「地上では安心して眠れない」と悟った彼が選んだのが、この岩山の上。要塞であり、宮殿であり、同時に、極端に孤独な場所。その事実を知ったうえで登ると、この岩は、ただの観光地ではなくなります。

登山道の途中には、有名な「シギリヤ・レディ」のフレスコ画跡があり、かつてここが、権力と美、そして恐れが同居する場所だったことを、静かに物語っています。実際に登ってみると、拍子抜けするほど、登りやすい。体力に自信がなくても、自分のペースで進めば問題ありません。ただし、水分補給は必須。これは本当に、何度でも言いたい。

シギリヤロック
撮影:ワタシト編集部

頂上に立つと、見渡す限りの緑が広がります。遮るものがなく、どこまでも平らで、静か。その景色を前にすると、なぜ王がここを選んだのか、少しだけわかる気がしました。逃げ場であり、誇示でもあり、そして、たぶん、心を落ち着かせるための場所でもあった。

「登ってよかった?」と聞かれたら、迷わず、はいと答えます。体力を使うからではなく、歴史を“下から上へ”体でなぞる体験だからです。大人の一人旅に、この場所がよく似合う理由は、そこに、権力の栄光だけでなく、人間の弱さや孤独も、ちゃんと残っているからだと思います。

首都コロンボは、ちゃんと混沌としていた

コロンボの夜の街並み
撮影:ワタシト編集部

スリランカは穏やかな国です。でも、首都コロンボは別です。渋滞、クラクション、せわしない人の流れ。ショッピングモール、オフィスビル、屋台、寺院が、同じ画角に、遠慮なく詰め込まれています。

エネルギーは強め。
空気は少し重たい。

そして、アジア旅行あるある、強引なトゥクトゥクな客引きも、ちゃんと存在します。正直に言うと、コロンボに長く滞在したいとは思いませんでした。でも、だからこそ、この国の自然が、あとからじわじわ効いてくるのです。

コロンボを離れ、緑が増え、音が減り、空が広くなっていくにつれて、体の奥で、何かがほどけていくのがわかります。スリランカの旅は、都会で少し疲れてから、自然に戻る構造になっている。その落差が、大人の体には、ちょうどいい。

若いころなら、この混沌も「刺激」として処理できたと思います。でも今は、「刺激」と「消耗」の違いが、はっきりわかる。だから私は、コロンボは短く、自然の中での時間を、長めに取ることをすすめたい。スリランカは、ちゃんと混沌があって、ちゃんと逃げ場も用意されている国。このバランスが、大人の一人旅に、静かに刺さります。

大人のスリランカ一人旅のリアルな予算

スリラんか旅行
撮影:ワタシト編集部

「スリランカって、遠そう=高そう」そう思われがちですが、実際はかなり現実的です。私の場合、全体で20万円前後に収まりました。その内訳を公開します!

■ 航空券
成田~コロンボ間は、スリランカ航空の直行便を利用。往復で約12万円。乗り継ぎなしで約9~10時間。体力を温存できるのは、大人旅には大きなポイントです。

■ 宿泊費
中~高級ホテルを組み合わせて、5万円程度。物価が比較的抑えられているため、バワ建築のホテルや、アーユルヴェーダ併設の宿も、「手が届く贅沢」になります。

■ 食事・観光・施術
ローカル食堂中心+アーユルヴェーダの施術を含めても、2~3万円で十分。結果として、合計20万円前後で満足度の高い一人旅が成立しました。

スリランカ国内の移動は「チャータータクシー」がおすすめ

スリランカ国内の移動は、タクシーをチャーターする方法が一人旅にはいちばん楽でした。理由はシンプル。

・スリランカの公共交通は時間が読みにくい
・乗り換えや交渉が多く、判断疲れしやすい
・観光地間の距離はそこそこある

チャーターであれば、ドライバーが土地勘を持っていて、移動中も安心。体力を使わず、「見る」「感じる」ほうにエネルギーを回せます。若いころの旅は、多少の不便も思い出になります。でも、大人の一人旅では、楽をすることが、旅を深くする。スリランカは、そういう選択を、ちゃんと許してくれる国でした。

がんばらない旅が、いちばん長く残る

スリランカ旅行
撮影:ワタシト編集部

スリランカは、「またすぐ行きたい!」と声を上げさせる国ではありません。帰国してしばらくしてから、ふとした瞬間に思い出します。紅茶の香り、湿った空気、混ぜすぎたスリランカカレーの味。ホテルの中に、何食わぬ顔で居座っていた岩のこと。そして、何もしていなかった午後の静けさ。

若いころの旅は、勢いと体力で、どうにでもなりました。でも、大人になると、「どうにかしなくていい旅」が、何より贅沢になります。

スリランカは、がんばらなくてもいいこと、立ち止まってもいいこと、一人でいる時間が、ちゃんと豊かになり得ることを、押しつけがましくなく教えてくれる国。

次の旅先に、刺激や達成感を求めなくなったとき。少しだけ、自分を甘やかしたくなったとき。その選択肢のひとつとして、スリランカを選んでみませんか?
何かを得る旅ではなく、少しずつ手放していく旅になることでしょう。

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※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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執筆者
ライター
おだりょうこ
猫と旅、音楽と映画で形成されたライター&エディター。旅欲が止まらない旅ジャンキー。料理は作るの食べるのも好き。日々の暮らしにひとさじほどの丁寧さを意識することを心がける日々。
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