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更新日: 2026年5月12日

スコットランドを走る。おとなの一人旅ロードトリップ実践編

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前回の「海外で運転するなんて無理、と思っていた私へ。おとなの一人旅ドライブ入門」では、国際運転免許証の取り方やレンタカーの借り方、海外で運転するときの基本的なコツを紹介しました。今回は、その実践編です。スコットランドでレンタカーを借りて、ハイランドを巡るロードトリップ。グラスゴーから北へ向かい、インヴァネスやエジンバラに立ち寄りながら、ぐるっと一周するルートです。スコットランドは右ハンドル・左側通行で、日本と同じ感覚で走りやすいのが魅力。この記事では、スコットランドで実際にロードトリップをして感じたことを、ルートや見どころ、運転のポイントとあわせて紹介します。

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スコットランドが“初海外ドライブ向き”な理由

エジンバラの街並み
撮影:ワタシト編集部

理由はひとつです。日本と同じだから。

右ハンドル、左側通行。

これだけで、安心感が半分くらい確保されます。海外ドライブの不安の半分は、「いつもと違う」こと。つまりスコットランドは、“違いが半分で済む国”です。この差は大きい。かなり大きい。

今回のルートと、現実的な行き方

スコットランドの風景
撮影:ワタシト編集部

今回のルートはこちらです。

グラスゴー → グレンコー → フォートウィリアム → インヴァネス → エジンバラ → グラスゴー

距離はだいたい600~800km。3~5日あれば、無理なく回れます。私はのんびりドライブを楽しみたかったので、あえて一般道をチョイス。フォートウィリアムとインヴァネス、エジンバラ、グラスゴーに宿を取りました。ここまで刻む必要はありませんが、その分、余裕を持って旅を楽しむことができました。

日本からスコットランへの行き方

ロンドン上空
撮影:ワタシト編集部

日本からスコットランドへの直行便はありません(2026年4月現在)。

・ロンドン経由 → 国内線 or 鉄道
・ヨーロッパ経由 → 乗り継ぎ

このどちらかになります。私は、わざわざ遠回りしました

シンガポール経由でロンドンへ。日程的にはロンドンで数日過ごしてから、スコットランドというルートです。しかも、スコットランドへは飛行機ではなく、寝台列車Caledonian Sleeper(カレドニアン・スリーパー)で向かいました。

夜に乗って、寝て、起きたらスコットランド。説明としてはこれだけなんですが、体験としてはもう少しややこしい。現実なのに、ちょっと演出が入っています。脳内にアガサ・クリスティが現れます。

合理性はゼロです。満足度は高い。この話は長くなるので、別でちゃんと書きます。書かせてください。

4月のスコットランドは「春、来る気ある?」という気温

早春のスコットランドの風景
撮影:ワタシト編集部

私が訪れたのは4月上旬。暦の上では春です。でも、体感は「まだ迷ってるな、この季節」です。

寒いです。普通に寒い。

アウターは必須。風は容赦なし。油断すると、あっさり負けます。私は一度、軽い気持ちで薄着で出て、すぐに戻りました。こういう判断ミスは、引きずらないことが大切です。

天気は落ち着かない。でも、それがちょうどいい

曇り、雨、晴れ。

スコットランドではこれがローテーションで来ます。休憩なしで来ます。最初は「落ち着いてほしい」と思うのですが、だんだん慣れてきます。むしろ、「次は何が来るのか」と待つようになります。人間、順応します。

今回の滞在では、大雨には当たりませんでした。小雨→やむ→晴れる、の繰り返し。この“ちょっと気まぐれな優しさ”、嫌いじゃないです。

スコットランド・ハイランド地方とは?

ハイランド地方の風景
撮影:ワタシト編集部

スコットランドの地図を見ると、「ハイランド」という言葉が出てきます。ざっくり言うと、スコットランド北部から西部に広がる山岳地帯一帯のことです。

・なだらかな丘陵
・氷河が削った谷
・湖(ロッホ)
・森と湿地

人の気配はあるのに、密度が低い。自然が主役で、人はちょっとお邪魔しているくらいのバランスです。いわゆる“絶景スポット”というより、エリア全体がずっと景色、という感覚に近いです。「ここが見どころです」と区切られるものではなく、むしろ「走っている間ずっと見どころ」という、少し反則気味の場所です。

グラスゴーを出た瞬間、景色のスイッチが入る

グラスゴーの街並み
撮影:ワタシト編集部

グラスゴー駅の近くでレンタカーを借りて、街を出る。最初は少し緊張します。でも10分もすれば、「あ、いける」と思い始めます。なんてたって日本と同じ右ハンドル、そして右側通行。ラッキーなことにレンタカーがマイカーと同じ車種だったこともあり、操作もお手のもの。愛車を運転している気分になりました。

そして街が終わる。

その瞬間、風景の密度が変わります。

ハイランドは、走るだけで仕事をしてくる

ハイランドの風景
撮影:ワタシト編集部

緑。
雲。
羊。
そして、古城。

この4点セットが、延々と続きます。

しかも途中で飽きさせない。角度を変えて、光を変えて、ちゃんと仕掛けてきます。古城なんて、「ここにある必要ある?」という場所に、堂々と建っています。でも、似合っている。悔しいくらい似合っている。

寄り道が、本編を軽く追い越していく

ファーマーズマーケット
撮影:ワタシト編集部

道の途中で見つけた、ファーマーズマーケット。観光地ではありません。むしろ、観光地っぽさがないのがいい。

地元の農家さんが作る野菜とチーズとコーヒー。そこで頼んだラテ。搾りたてのミルクで作っていて、ちょっと意味がわからないくらいおいしい。

ファーマーズマーケットのラテ
撮影:ワタシト編集部

「え、これなに」と、ちゃんと声に出しました。

ハリーポッターのロケ地で、現実が少しズレる

グレンフィナン高架橋
撮影:ワタシト編集部

途中で立ち寄ったのが、映画『ハリー・ポッター』シリーズのロケ地・グレンフィナン高架橋。ホグワーツ行きのあの列車が走る場所です。現地ではジャコバイト号(Jacobite Steam Train)として運行しています。

車を停めて、少し歩きます。軽いハイキングです。息が上がるか上がらないかの境界線。そして、高台に出る。

見えます。
あの橋。
あのカーブ。
あの「何かが始まりそうな感じ」。

しばらくすると蒸気の音が近づいてきます。

ゆっくり現れる列車。

「あ、映画のやつだ」ではなく、
「あ、ここで撮ったのか」と納得する瞬間。

映画が現実を再現したのではなく、現実が先に完成していた感じです。

あえて乗らないという選択

ジャコバイト号は乗車できます。でも私は、乗りませんでした。外から見たかったから。

乗ると体験になる。外から見ると風景のままでいてくれる。この違い、地味に大きいです。少し離れた場所から、列車が橋を渡るのを眺める時間。静かで、少しだけ現実がズレる感じ。ちょっと面倒な選択ですが、悪くないです。

インヴァネスで、人間に戻る

インヴァネスの街並み
撮影:ワタシト編集部

ハイランドの中を走り続けていると、だんだんと「人間ってこんなにいなくてもいいんだっけ?」という気持ちになります。そんなタイミングで現れるのが、インヴァネスです。

インヴァネスは、スコットランド北部の中心都市のひとつ。人口は約5~6万人ほどで、大都市ではありませんが、ハイランドの中ではしっかり“街”と呼べる規模です。

・ホテルやB&Bの選択肢が多い
・レストラン、カフェ、パブが揃っている
・スーパーやドラッグストアもある

つまり、「ちゃんと補給できる場所」。ずっと自然の中を走ってきたあとに来ると、この“普通に暮らせる感じ”が、妙にありがたい。

何もない時間もいいけれど、少し人の気配に戻ると、また外に出たくなる。その切り替えをしてくれる場所でした。

ネッシー、いないと思っていたのに少しだけ裏切られる

ネス湖
撮影:ワタシト編集部

インヴァネスに向かう途中、ネス湖に立ち寄りましました。ネス湖といえば、ネッシーです

世界的に有名な未確認生物。正直に言うと、来る前は「まあ、いないでしょ」と思っていました。冷静な大人として。でも、ネス湖を目の前にすると、その冷静さが少しだけ揺らぎます。

湖は細長くて、とにかく大きい。そして深い。水の色も、なんとなく黒い。「何か隠してますよね?」と聞きたくなる感じ。

湖のほとりには、崩れかけた石造りの城——アーカート城の跡。観光地として整っているのに、どこか完成しきっていない雰囲気があって、「出るならここだな」と思わせてくます。

湖面をぼんやり見ていると、波が揺れます。風かもしれないし、違うかもしれない。こういうとき、人は急に想像力が豊かになります。

残念ながらこの日はネッシーには会えませんでした。

エジンバラで、「いかにもヨーロッパ」にちゃんと出会う

エジンバラの街並み
撮影:ワタシト編集部

旅の起点となるグラスゴーにも街はありました。もちろんありました。でも、エジンバラは少し違います。いわゆる「これがヨーロッパです」と言われて、多くの人が思い浮かべる景色に、かなり正直に寄せてきます。

石造りの街並み。坂道。城。

ちょっと出来すぎなくらい、整っています。

エジンバラはスコットランドの首都ですが、規模はそこまで大きくありません。旧市街と新市街に分かれていて、
主な見どころは徒歩で回れる範囲に収まっています。

・エディンバラ城
・ロイヤルマイル
・ホリールード宮殿
・カールトン・ヒル

坂道は多いですが、そのぶん視界が抜けます。歩いているだけで「ちょっといい景色」が差し込まれてくる感じです。

正直に言うと、ずっと自然だと少し飽きます。ハイランドのあとにエジンバラに入ると、この“人が作った景色”がちゃんと刺さります。建物が並んでいるだけで、ちょっと安心する。こういう感覚、自分でも意外でした。

ひとつ現実的な話を。

旧市街は道が狭く、観光客も多いです。運転は正直、気を使います。

なので、

・中心部には車で入らない
・郊外に停めて公共交通機関を使う
・ホテルはアクセス重視で選ぶ

このあたりを意識すると、かなり楽になります。

スコットランドをドライブして、わかったこと

スコットランドの風景
撮影:ワタシト編集部

スコットランドをドライブした数日間は、特別なことをしているつもりだったのに、振り返ると、やっていることは案外シンプルでした。

車を借りて、走って、止まって、また走る。

ただそれだけなのに、見える景色が少しずつ変わっていくのが面白くて、気づけば予定よりも遠くまで来ていました。

ハイランドの道も、ネス湖も、エジンバラの街も、どれも“どこかにある場所”のはずなのに、自分でたどり着くと、少しだけ意味が変わります。行き方を知っている場所と、自分で行ける場所は、やっぱり違う。スコットランドのロードトリップは、その違いを、静かに教えてくれる時間でした。

次に地図を開いたとき、前より少しだけ、行ける場所が増えているかもしれません。

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※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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執筆者
ライター
おだりょうこ
猫と旅、音楽と映画で形成されたライター&エディター。旅欲が止まらない旅ジャンキー。料理は作るの食べるのも好き。日々の暮らしにひとさじほどの丁寧さを意識することを心がける日々。
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