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更新日: 2025年10月3日

外に出ることがもっと楽しくなる!環境配慮型シューズ「native shoes」とは?

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カナダのバンクーバーで2009年に創業し、環境負荷の少ない機能的なシューズを販売しているnative shoes(ネイティブシューズ)。株式会社ヒロセは、2024年から同ブランドを日本で販売しはじめました。native取り扱いの経緯や、商品の特徴、環境負荷軽減のための取り組みについて、ブランドリーダー・加茂喜章さんに話を聞きました。

メーカーの想いや苦労を理解したいから

native shoesブランドリーダー・加茂喜章さん
撮影:ワタシト編集部

ーー株式会社ヒロセがnative shoesを取り扱いはじめたのはなぜですか?

弊社は、宮城県仙台市にある靴の卸売業をしている企業です。さまざまな靴を取り扱う中で、今後企業としてさらに成長するためには、卸売をするだけでなく、仕入先メーカーさんの想いを理解する必要があると考えるようになりました。

そこで、ブランディングや販売戦略など、メーカーさんが陰で努力をされている取り組みを自分たちも実践してみて、どのような点が大変で、どのような部分にコストがかかるのかを理解することにしたのです。

nativeは15年ほど前に別の企業が一度日本で展開していましたが、その後撤退しています。その頃に弊社も販売代理店をしていたので、nativeについてはよく知っていました。そのnativeの話が十数年越しにたまたま再度持ち上がり、本国がリブランディングを図りたいという要望もあると知り、弊社が手を上げました。

ーー以前も日本で売られていたのですね。

いま40~50代で、かつセレクトショップに足を運んでいた方なら、もしかしたらご存じかもしれません。とはいえ、大手のシューズブランドにくらべれば、日本での知名度はまだまだです。弊社が本格的に展開をはじめたのも2024年からなので、これから多くの方に知ってもらえればと思っています。

外に行くのに“ワクワクできる”シューズを

native shoes
日常使いにぴったりな「Miles Wanderfoam™」(撮影:ワタシト編集部)

ーーどのような特徴がある靴なのか教えてください。

「環境にも配慮し、1足でシームレスにいろいろな場所で使えるシューズがあったら便利だよね」という思想をもとに、EVAという樹脂素材を用いたシューズとして立ち上がったブランドです。 EVAは発砲・成型時に水を使わず、ベースとしてクリーンな製造手法が取れます。

EVAを用いた履物は日本でも普及していますが、「素材が硬く、靴タイプでは足を痛めそう」というイメージを抱かれがちです。しかし、nativeは、ワンダーフォームという独自の発砲技術を取り入れています。このワンダーフォームによって、かなり柔らかい仕上がりになっていると思います。

native shoes
軽く力を入れただけで曲がるほど、柔らかい。(撮影:ワタシト編集部)

ーー本当ですね!思った以上にソフトです。

足は敏感なので、履いてみるとより硬さや収縮性を感じると思います。EVA素材は好みが分かれますが、nativeのシューズを一度試してもらうと、「足に吸い付くようなフィット感があり、しかも柔らかい」とファンになってくださる方が増えています。

単色使いから、マーブル柄など、カラーバリエーションが豊富なのも特徴です。EVA素材のメリットとして水で丸洗いできますし、たくさんの孔で通気もしてくれます。近年は日本も暑い時期が長いので、ソックスを着用すれば真冬以外はご利用いただけると思います。ブーツタイプは防水性もあるためレインシューズとしても使えると評判です。

native shoes
厚底のスニーカーでも軽い履き心地の「Apollo10」。(撮影:ワタシト編集部)

ーーおしゃれでありながら軽い履き心地で、おでかけするのが楽しくなりそうですね。

nativeは「外に出る楽しさを伝えられるブランドになる」という目標を掲げているので、そう言ってもらえるとうれしいです。EVA素材と商品のデザインからアウトドアブランドと認識されることが多いのですが、nativeは「アウトサイドブランド」を名乗っているんです。

サッと履いて、公園で遊んだり、キャンプや釣りに行ったり、道中は車を運転したり。街中からアウトドアまで一足でシームレスに移動できます。スタイリッシュなデザインなので、日常ではごみ捨てやコンビニに行くときにも気軽に履けて、足元に”手抜き感が出ない”のも特徴ですね。

製造から流通に至るまで細かく配慮されている

native shoes
撮影:ワタシト編集部

ーーEVAを使用する以外にも、環境に配慮したブランドだと聞いています。

そうですね。ブランドの核にあるのが「Live Lightly」という考え方です。「使いやすくて快適な靴を提供することで、すべての人に軽やかな暮らしを」という意味と「素材や製造プロセスを見直し、カーボンフットプリント(製造からリサイクルに至るまでのライフサイクル全体で排出される温室効果ガスの総量をCO2換算して製品に表示する仕組み)を軽減しよう」という2つの意図が込められています。

シューズを使う方に「外に出て欲しい」と考えるブランドであるからには、その外の環境に負荷をかけてはいけないと考えています。EVAを使う以外にもたくさんの側面から環境に配慮し、製造プロセスを見直しているのです。

ーー具体的には、どのような点にこだわっているのでしょうか?

例えば、輸出する際は関わる業者が環境配慮に理解を示してくれるかを調べています。具体的には、需要に見合わない数量を無理に仕入れて廃棄を増やさないか、環境に対して責任ある行動をとる会社かどうかなどを確認しているのです。

native shoes
撮影:ワタシト編集部

さらに、「シュガーライト」というサトウキビ由来のバイオ素材と従来のEVAをMIXした独自素材を、販売する約8割の商品に採用しています。

また、水辺に過剰繁殖した藻類を集めて作った「BLOOM」という樹脂も、EVAと混ぜてシューズ作りに活用しています。この素材を用いたシューズは、1足の製造にあたり80Lの水と50立方メートルの空気の浄化に貢献します。開発当初は柔らかさを出すのが難しかったのですが、改良を重ね、独自の発砲技術ワンダーフォームを組み合わせることで次第に快適な履き心地を実現できるようになりました。

native shoes
リサイクル素材でできたブーティーが取り外し可能な軽量ブーツ「Fitzsimmons Venture」 。25年秋冬シーズンの新作商品(撮影:ワタシト編集部)

ーーシューズを履くたびに環境に貢献していることが思い出されて、うれしくなりそうですね。

「このシューズは水をきれいにしています」という話をすると、釣具屋さんなど海や川に関わる商材を販売している小売店舗様が前向きに導入を検討してくれます。

ーー他にこだわりはありますか?

シューズのラバー部分はあえてリサイクル廃材で作ったゴムを活用しています。EVAでそのまま成形すればいいのですが、あえて「靴らしさ」を増すためにゴムをまいているんです。靴を売っている側としては、そんなこだわりにキュンとします(笑)。

スニーカーからブーツまで、ラインアップは豊富です。環境問題を重視する、しないに関わらず、デザインや履きやすさで選んでいただけるとうれしいですね。

Native Shoes
ラメには、植物由来のセルロースから作られたグリッターパウダーを使用。人体に影響のあるフッ素化合物も使用していない(撮影:ワタシト編集部)

また、カナダ・バンクーバー本社が運営する公式ECでは「REMIX PROJECT」と称して、使用済の Nativeをリサイクルしています。持ち込まれたシューズは裁断・圧着されてブロックになり、クッション性の高い素材として公園の遊具や床として使用され、まだ着用できるものは寄付に充てられています。日本でもたくさんの方にnativeの魅力を知っていただき同様の取り組みが国内でできるまでに育てていきたいです。

ーー徹底して環境に配慮がなされていますね。最後に、読者にメッセージをお願いします。

一度履いていただくと、その心地よさを感じてもらえると思います。お子さん向けの商品もあり、世代を問わず暮らしにフィットします。普段のおでかけにも気軽にご利用いただけますので、ぜひ一度お試しください。

◇◇◇

実際に履いてみると、驚くほどの軽さでした。おしゃれでかつ気軽に使えるnative shoes。履くだけで環境への意識が高まるシューズを、ぜひ手に取ってみてください。

取材、文/ゆう

ワタシトJOURNALシリーズ

※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。

監修者
ライター
ワタシト 編集部
ワタシトは暮らしの不便を解決するアイデアや商品を紹介するメディアです。掃除や洗濯、日用品のお手入れ、ハウスクリーニング、家具、家電、生活雑貨の新商品など役立つ情報をお届けします。
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