
“最安”はどこにある?飛行機チケットの取り方、見落としがちなポイントと実践テク
大人の旅の基本のき、航空券の探し方を伝授します。旅行会社に任せる旅もよいものですが、航空券や宿を自分で手配すれば、旅はもっと自由になります。行き先も時間も自分で決めるからこそ「組み立てる面白さ」があるのです。実際、観光庁の調査でも、自分で航空券やホテルを予約する旅行者は増えているのだとか。ただし、自由には責任もつきもの。とくに航空券選びには、安さの裏に落とし穴が潜んでいます。この記事では、私自身の失敗も交えながら、“本当の最安”を見極める方法をまとめました。
目次
航空券の「最安」は価格だけじゃない

「最安!」の二文字に胸が高鳴るのは人間の性。恋人探しでもないのに、あの言葉にときめいてしまう。けれど、あとから“手荷物は別料金です”と冷たく突き放される。安さとの恋は短命なのです。ここでは“数字の裏”を見ていきましょう。
隠れコスト(手荷物・乗継・キャンセル規定など)
航空券探しの第一歩に、多くの人が使うのが Skyscanner や Trip.com などの比較サイトです。私もよく使います。複数の航空会社や代理店の料金を一度に検索できるのが最大の魅力で、「成田→ヨーロッパ最安値58,000円!」なんて画面を見ると、つい飛びつきたくなりますよね。
けれど、ここで注意したいのは、表示される「最安値」の裏には条件や追加料金が潜んでいるという点です。
項目 | “最安値”航空券 | 注意すべきポイント |
| 運賃表示 | 成田→パリ 片道 58,000円~(乗継ぎ2回) | 表示額に燃油サーチャージや空港使用料が含まれていない場合あり |
| 受託手荷物 | 別料金:1個あたり 8,000~12,000円 | 「荷物込み」と思い込むと痛い出費に |
| 乗り継ぎ | 2回または 待ち時間合計15時間以上 | 到着は翌日夜。時間をお金に換算すれば高くつく |
| キャンセル・変更 | 原則不可 | 体調不良や仕事都合でも返金ゼロ |
| 座席指定 | 有料(3,000~8,000円) | 長距離フライトで隣席を選べずストレス大 |
※金額は参考値。実際の航空券価格は時期・販売元によって変動。参考:Skyscanner、各航空会社規定。
こうして並べてみると、「最安」と書かれたチケットが、必ずしも“財布にやさしい”とは限らないことがわかります。手荷物代や乗継の長さ、キャンセル不可のルールまで含めれば、結局ほかの選択肢と大差ない、むしろ高くつくことさえあるのです。
そして忘れてはいけないのが、“お金以外のコスト”です。旅にかかるのは円やドルだけではなく、体力や時間も大きな資源。ここを見落とすと、「安いけど疲れる旅」になってしまいます。
比較サイトと公式サイトの使い分け

Skyscannerの画面に並ぶ「最安」「残りわずか」。スーパーのタイムセールをのぞいている気分になります。でも、スーパーなら返品できますが、航空券は返品が効かないことも。だからこそ、冷静さが必要です。比較サイトと公式サイト、OTA(オンライン旅行代理店)を使い分けるポイントをピックアップしました。
比較サイトの便利さと注意点
・「最安」と表示されていても、燃油サーチャージや手数料が後から加算されることがある
・LCCの一部便が反映されない場合も
公式サイトの安心感とマイル加算
・マイルも確実に積算される。OTA経由で「マイル対象外クラス」だった、というがっかりも回避できる
OTAの安さとリスク
・ただしトラブル時の返金に数か月かかった経験も。安さと安心感、どちらを取るかは自分次第
快適さや時間も“総合コスト”に含める
深夜便で数千円浮かせても、到着後はゾンビ顔で丸一日潰れる。逆に直行便+5,000円で体力を温存できるなら、そのほうが安い投資です。安さは数字だけで測れません。
自分にとっての“最安”基準を持つ

荷物を預けない人にとっては“最安値”航空券が最適な場合もあります。けれど、時間が貴重な人には直行便やフルサービスキャリアが結果的にお得。相手(航空券)に自分の条件を合わせるのではなく、自分の基準を先に決めるのが大切です。
格安航空券の落とし穴
比較サイトも公式サイトも使い分ければ強い味方ですが、最後に忘れてはいけないのは「安さに飛びついたチケットほどリスクが潜んでいる」ということです。
「片道1万円!」に飛びついて、数分後「手荷物込みで2万5千円です」と突き放される。恋愛でいうなら“理想の人だと思ったら既婚者でした”くらいの落差です。
・キャンセル不可のリスク:仕事や体調で変更できず、チケット代がパーになることも
・在庫や条件のズレ:比較サイトで「空席あり」と出ても、公式で確認したら満席という“ぬか喜び”はあるある
こうしたリスクを知ると、「じゃあ結局どうやって得するの?」と感じるかもしれません。ここで頼りになるのが、現金の安さだけに頼らないもうひとつの方法「マイルと特典航空券」です。
マイルと特典航空券の活用
マイルは現金で買えない裏通貨。コンビニのコーヒーをカードで買いながら「これでパリに一歩近づいた」と妄想するのは私だけではないはず!
日常で貯める工夫
ANAやJALの提携カードは100円で1マイル。毎日のスーパーやガソリン代も、積もればヨーロッパ行きに化けます。
提携店舗やキャンペーンを使えば、2倍・3倍のマイルがつくことも。買い物が「旅行の前払い」だと思えば悪くありません。
シーズン差と必要マイル数
以下は、ANA国際線特典航空券チャート(2025年6月24日以降発券分) に基づいた必要マイル数です。
※参考:ANA公式 国際線特典航空券 必要マイル数・シーズンチャート
| 行き先/ゾーン | クラス | ローシーズン(L) | レギュラーシーズン(R) | ハイシーズン(H) |
| 韓国・極東ロシア (Zone 2) エコノミー | Y | 12,000 | 15,000 | 24,000 |
| アジア1(例:台北・香港ほか) エコノミー | Y | 7,000 | 20,000 | 30,000 |
| ハワイ/エコノミー | Y | 35,000 | 40,000 | 65,000 |
| 北米(例:ロサンゼルス) エコノミー | Y | 40,000 | 50,000 | 72,000 |
| 欧州(例:パリ・ロンドン) エコノミー | Y | 45,000 | 55,000 | 78,000 |
たとえば、ハイシーズンの欧州行きでは約 78,000マイル 必要。現金だと往復15~20万円する便もあるので、マイルの価値は非常に大きいことがわかります。
ブラックアウト期間・残席制限
・「せっかく貯めたのに使えない」を避けるには、出発6~12か月前から枠を探すのが鉄則
・直前にキャンセル枠が出ることもあるので、こまめにチェックするのもコツ
オフシーズンと予約タイミング
航空券の値段はカレンダーをにらめば分かります。繁忙期を避ければ財布にも優しく、観光地もゆったり楽しめます。
オフシーズンの安さと快適さ
東京→パリ:11月平日で往復7万円台、8月や年末年始は15~20万円超。( Skyscanner )
混雑も少なく、美術館やレストランも快適に過ごせます。「人混みで消耗するコスト」も節約できるのがオフシーズンの魅力です。
セール・キャンペーン情報を拾う
・ピーチやエアアジア、スクートなどのLCC国際線は、期間限定セールで半額近くになることも
・比較サイトで「価格アラート」を設定しておけば、狙った金額になったときに通知が届くので便利
早割と直前割をどう使い分けるか
・ただし、直前の投げ売りもあり、予定が柔軟なら“神チケット”に出会えることも
最後は自分の目で確認する
どんなに便利なサイトでも、最終的に責任を持てるのは自分だけ。航空券は恋人探しと同じで、最後は「本当にこの人でいいのか」と確認する儀式が必要です。
例えば、比較サイトは航空券探しの強い味方です。でも、最終的な責任を持てるのは自分自身。だからこそ、最後の一歩だけは自分の目で確認することが大切です。
比較サイト経由で購入したときの注意
比較サイトを通すと、返金や変更に時間がかかることもあります。公式サイトから直接購入すれば、対応が早いケースもあります。
だからこそ、購入を確定する前に、自分の旅にとって本当にそのチケットで問題ないかを確認することが大切。国際線では、空港や手荷物ルール、乗継条件などで思わぬ落とし穴があることも。以下のチェックリストを押さえておけば、出発前に余計なトラブルを避けられます。
購入前のチェックリスト(国際線向け)
出発空港・到着空港
パリ=シャルル・ド・ゴール(CDG)とオルリー(ORY)、ロンドン=ヒースロー(LHR)とガトウィック(LGW)を間違えると大混乱。都市に複数空港がある場合はとくに要注意。
手荷物条件
無料か有料か、何kgまでか。国際線は1個23kgまで無料が多いが、格安運賃では受託手荷物なしのケースも。
座席指定と追加料金
長距離フライトで隣席が選べないとストレス大。足元の広い席は追加料金になることも。
乗継時間の妥当性
フランクフルトやシカゴのような巨大空港で乗継ぎ時間が1時間では危険。3時間以上を目安に。
キャンセル規定
国際線は変更不可の運賃が多い。仕事や体調不良で行けなくなった場合に返金がゼロになるケースも。
購入後の確認・フォロー
・前日にオンラインチェックイン
・運航状況をチェックし、遅延に備える
“最安”は値段じゃなく、自分で決めるもの

飛行機チケットの“最安”は、数字だけで測れるものではありません。隠れコスト、時間のゆとり、安心感まで含めた“総合的なお得さ”が、本当の最安です。
比較サイトで探し、公式サイトで確かめ、マイルやオフシーズンを賢く使い、最後は自分の目で納得して購入する。この流れを押さえれば、旅のスタートはぐっと軽やかになります。
そして覚えておきたいのは、最安との恋は短命だということ。数字の安さにときめくより、自分に合った一枚を見つけるほうが、旅はずっと楽しくなります。次のチケット選びでは、安さに振り回されるのではなく、「これが私の最安だ」と胸を張って選びましょう!
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