
スラックスのアイロンがけでセンタープレスをピシッとつくるコツ
スーツをスマートに着こなせているかどうかは、どこで判断しますか?ジャケットの次はシャツやスラックスをチェックしちゃいますよね。シワがなく、センタープレスラインが美しく保たれているスラックスを履いているかどうかは大きなポイントです。どんなにかっこいいスーツでも、しわくちゃでセンタープレスラインが消えているスラックスを履いていると、だらしなく見えてしまいます。
そこで今回は、見た目を大きく左右するスラックスを美しく保つために、スラックスのアイロンがけのポイントや注意点、かける順番を紹介していきます。
目次
アイロンがけの準備をしよう!

さっそくスラックスのアイロンがけをしていきましょう。準備として知っておいていただきたいのはアイロンをかける場所とその順番。特にアイロンをかける順番を押さえることが、スラックスがかっこよく決まるコツです。
アイロンをかける順序
スラックスのアイロンがけの順番は、「腰→ひざ→裾(すそ)→センタープレス」の順番です。だいたい上から下へとアイロンを進めていって、最後に折り目をつけるといった感じ。
それではアイロンをかけていきましょう。まずはアイロンがけに必要な道具を準備!スラックスにアイロンをかけるときに、用意するべきものを紹介します。
・アイロン台
・霧吹き
・当て布(綿の布であれば可)
・ハンガー
特別なものは何もありません。当て布は特に重要なので、必ず用意しましょう。

山崎実業 舟型 アイロン台 アルミコート シルバー
アイロン台は表面が熱に強く、アイロンを滑らせやすいアルミカバーです。先が丸くなっているため、シャツの背中などをひっかけてしっかり伸ばすことが可能です。もちろん、折りたたみできます。
それでは、それぞれの場所(部分)ごとのアイロンのかけ方を説明していきます。
スラックスを順番にアイロンがけをしてみよう

・腰から裾
・裾
・センタープレス
準備ができたら、アイロンがけをしていきましょう!上記の順に説明していきます。
腰まわりは、ファスナー・ボタンに注意
腰の部分は、縫い目やポケットがあるので、アイロンがけしにくい場所です。
まずはファスナーを開けましょう。アイロン台に履かせると、腰の部分はアイロンをかけやすくなります。その下準備です。
スラックスの腰回りは、ポケットやボタンなどがあるので、裏返してからアイロンがけするのがおすすめ。ファスナーを開けると同時にスラックスを裏返しておきましょう。
ファスナーを開けたら、スラックスをアイロン台に履かせます。このとき、お尻側がアイロン台の上になるようにしましょう。そしてお尻側からアイロンをかけていきます。
当て布を使ってアイロンがけをしていきます。お尻側は、滑らせるようにというよりは、軽く押し付けるようにアイロンをかけていきます。なかなかきれいにならないシワがある場合には、霧吹きでシュッと濡らしてからアイロンをかけてみてください。
スラックスを180°ほど回転させましょう。ファスナーなどがついているスラックスの前の部分が、アイロン台の上になるようにします。手順3と同じように、軽く押し付けるようにしながらアイロンがけしてください。
ファスナーやボタンにアイロンが当たらないように注意しましょう。アイロンのコーティングが剥がれてしまいます。
これが腰回りのアイロンがけのやり方です。ファスナーや、ボタン、ポケットなどの障害があって、実は意外と難しいです。失敗して、変にシワをつけてしまうぐらいなら、飛ばしてしまってOKです。
腰の部分のアイロンがけが終わったら、スラックスをひっくり返して、元に戻しておきましょう。
腰から裾は縫い目・折り目に合わせて!
次に、腰から裾のアイロンがけの方法を解説します。これが、スラックスのアイロンがけの肝といっても過言ではありません。
スラックスの縫い目を合わせて形を整えましょう。縫い目を合わせるというのは、手と手のシワを重ねるように、縫い目と縫い目を重ねること。片足ずつ、形を整えます。ちょうど、センタープレスラインで折られている状態になれば、正解です。
くっきり折り目をつける前に、スチームでシワを伸ばします。当て布の上から、アイロンは少し浮かせるイメージで、スチームをかけていきます。くるくると円を描くように動かすのがコツです。スラックスがたるんでいると、綺麗に折り目をつけるのも難しいので、このスチームの作業が意外と大切。
膝が出てしまったスラックスもピシッとさせましょう。
まずは、スラックスを裏返します。そして膝の部分を裏からアイロンがけしてください。こうすると、出ていた膝は引っ込んできれいになるんです!終わったら、またひっくり返して元に戻しましょう。膝が出ていることが気になるときに試してみてくださいね。
折り目に注意しながら、アイロンをかけましょう。アイロンを滑らせるようにして行なってください。このとき、折り目をくっきりつける意識はなくて大丈夫。だいたいの目安を決めておきましょう。
センタープレスラインは、ひと通りシワを伸ばした後、最後につけていきます。
裾は「内側から」がポイント
上からどんどんアイロンがけをしていきました。ついに裾のアイロンがけになります。
裾の中にアイロンを入れるようなイメージで、内側もアイロンがけをしていきます。当て布も忘れずに!
裾のアイロンがけの最中はスラックスが動きやすいので、片手で押さえながらアイロンをかけましょう。足元がきちっとしていないと、だらしない印象になってしまいます。丁寧にアイロンをかけてくださいね。
センタープレスがかっこよさの秘訣
ついに、センタープレスです。スラックスの印象を決めるラインなので、丁寧に作業します。
アイロン台に片足ずつ置いて形を整え、折り目を決めます。
センタープレスラインはスチームを使ってつけていきます。当て布も使いましょう。
スチームで折り目をつけたところを、ドライアイロンでなぞって仕上げます。このときも当て布は忘れずに。アイロンに体重をかけ、ギュッギュッと押し付けるようにして折り目をつけてください。
最後に
アイロンがけが終わったら、スラックスはハンガーにかけてください。生地は熱を持っているときに、シワがつきやすいです。アイロンがけが終わってすぐにたたんでしまうと、またシワがついてしまってだいなしに…。
センタープレスラインで半分の大きさになっている状態のスラックスを、二つ折りにするようにハンガーにかけて熱を冷まします。
これで、スラックスのアイロンがけは完了です!
スラックスのアイロンがけでの2つの注意点

アイロンがけは、自己流でも意外と綺麗になるのですが、やはり正しいやり方の方が◎。服にも優しいですし、上達も早いのです。美しく仕上げるために知っておきたいアイロンがけの注意点とポイントを紹介します。
温度設定
スラックスの素材はそれぞれ異なります。まずはスラックスの素材の表示を確認して、素材に適した温度でアイロンがけを行ってください。
| 化学繊維(ナイロン、アクリルなど) | 110℃~130℃ |
| ウール | 140℃~160℃ |
| 綿や麻 | 180℃~200℃ |
表を覚える必要はありません。スラックスの洗濯絵表示にアイロンの温度の指定もしっかり書いてあるはずです。
力の入れ方に注意
アイロンがけは、力を入れすぎず、素早く行いましょう。アイロンを思いっきり強く押しつけたり、同じところを何度もかけたりしても、シワがよく伸びるわけではありません。むしろ、生地が傷みます。さらに、テカリの原因にもなります。
スラックスのアイロンがけの3つのポイント
アイロンをかける順番を守る
アイロンがけの順番を間違えると、シワを伸ばすどころか、逆に変なシワをつけることにもなりかねません。ここまで読んで、もう覚えられましたか?「腰→ひざ→裾→センタープレス」の順番をしっかり守ってください!
当て布をして
私たちが座っているとき、スラックスの生地には圧力がかかっています。そのため、スラックスというのは、実は傷みやすいアイテムです。その上、直接アイロンをかけると、その熱でさらに傷んでしまいます。
そこで綿100%のハンカチなどで当て布をしましょう。当て布によって生地を守ります。
スチーム機能、霧吹きを使おう
シワを伸ばすために、霧吹きやアイロンのスチーム機能を使って湿らせながらアイロンをかけましょう。
ついでにジャケットのアイロンがけも!

スラックスにアイロンをかけるなら、ジャケットも一緒にアイロンをかければ、スーツの上も下もかっこよくなりますね!
そこで最後に、ジャケットのアイロンがけの方法について紹介します。準備するものはスラックスのときと同じですから、そのままアイロンがけを進めていきましょう。
・アイロン台
・霧吹き
・当て布(綿の布であれば可)
・ハンガー
準備ができたら始めましょう!
・前身頃
・襟
・背中
この順番で説明していきます。
アイロンをかけはじめるとき、当て布を忘れないでください!
肩から袖、腕までのラインは崩さない!
まずはジャケットをかぶせるようにアイロン台に置いてください。
肩の部分のシワを伸ばすように、手でしっかりと押さえてください。ラインを崩さないように、優しくプレスしていきましょう。
腕も型崩れしないように、丁寧にプレスします。ボタンに当たらないように注意してください。
前身頃(まえみごろ)は片面ずつ仕上げる
前身頃は、左右片面ずつ仕上げていきます。全体的には軽くかける気持ちで大丈夫です。
前身頃の襟(ラペル)部分は裏側からアイロンをかけ、それから表側で形を整えていきます。このラペルの部分は、強く押しつけすぎてしまうとジャケットが型崩れするので注意しましょう。
ボタン周辺はシワができやすいので、アイロンの先を使って丁寧に仕上げます。
襟は裏側から!
襟(首の後ろに当たる部分)にアイロンがけするときは、前身頃が下になるようにジャケットを裏返します。
まずは裏をプレスします。まだ熱が残っている間に手を使って形を整えて、次に表側のラインをプレスしましょう。
背中は真ん中から外に向かって
中央にアイロンを置いて、外側に向かって広げていくような形で、アイロンをかけます。
後ろ身頃は範囲が広いので、シワがあると目立ちます。着ている本人には見えない部分だからこそ、丁寧に仕上げましょう!
最後に
アイロンがけが終わったら、ジャケットをハンガーにかけましょう。シワが気になる部分がないかチェックして、しつこいシワには霧吹きを使います。これでジャケットのアイロンがけは完了です。
ジャケットとスラックスの両方にアイロンをかけると、スーツが見違えます!せっかくアイロンを取り出したのなら、セットでプレスするのがおすすめですよ。
まとめ
スラックスがきれいにアイロンがけされていると、スーツ姿がカチッと決まります。でも、毎日こんな風にアイロンがけするのは、時間的に余裕がなく難しいと思います。そんな方は、お尻とセンタープレスだけでのアイロンがけでも、きれいに見えますよ。
それも面倒な場合は、ハンガーにスラックスを掛けた状態で、スチームアイロンのスチームを全体にかけるという方法もあります。アイロンがけしたほうが美しいのですが、忙しく時間が取れない方は、簡易のお手入れだけでも試してみてください。
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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