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更新日: 2026年6月10日

気づけば毎日使っている。竹ざるのある台所

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竹ざるは、“丁寧な暮らしの人が使う道具”だと思っていました。干し野菜を作る人とか、味噌を手作りする人とか、朝に白湯を飲む人とか。そういう、ちゃんとしている世界の道具だと。でも実際は、かなり違いました。茹でたとうもろこしを置く。 洗ったトマトを転がす。おにぎりを冷ます。 パンを置く。気づけば、なんでも受け止めてくれる。派手ではないけれど、台所にひとつあると妙に便利。今回は、そんな竹ざるの話です。

昔からあるのに、古くならない道具

竹ざる
撮影:ワタシト編集部

竹ざるは、日本の台所で長く使われてきた道具です。竹を細く割り、編み上げて作られるシンプルな構造。特別な機能があるわけではありません。それなのに、何十年も前から使われ続け、今もなお現役です。

考えてみると少し不思議です。便利なキッチングッズは次々に登場するのに、竹ざるだけは消えない。それはきっと、日本の気候と相性がいいからだと思います。湿度が高く、食材を乾かしたり冷ましたりする機会が多い日本の暮らしの中で、風を通す竹ざるは理にかなった道具だったのでしょう。

“とりあえず置く”が、うまい道具

竹ざるに置いたパン
撮影:ワタシト編集部

ステンレスのボウルやプラスチックの水切りかごも便利です。でも竹ざるには、“途中”を受け止めるうまさがあります。たとえば、

茹で上がった枝豆。熱いまま置いても蒸れにくい。
洗った野菜。水気が自然に抜ける。
パン。ビニール袋より湿気がこもらない。

「保存するほどではないけれど、少し置いておきたい」竹ざるって、その曖昧な時間に強いんです。台所って、実は“途中”だらけなんですよね。

切った野菜をちょっと置く。
粗熱を取る。
洗った器を乾かす。
おにぎりを握って並べる。

そのたびに専用の道具を出すほどではない。でも、直置きはなんとなく嫌。竹ざるは、その“なんとなく”を、かなり自然に引き受けてくれます。

夏の台所と相性がいい

竹ざるに置いたトマトときゅうり
撮影:ワタシト編集部

私が特に出番が増えると感じるのは夏です。

枝豆
とうもろこし
そうめん
トマト
きゅうり

竹ざるの上に並べるだけで、なんだか涼しげに見える。でも、それは見た目だけではありません。空気が通るので、水気や熱気がこもりにくいのです。

竹ざるに置いたとうもろこし
撮影:ワタシト編集部

そうめんを盛れば余分な水分を逃がしてくれるし、茹でたとうもろこしを冷ますのにも向いています。昔の人が使っていた理由は、ちゃんと理にかなっていたから。実際に使ってみると、そのことがよくわかります。

手仕事だからこその表情がある

竹ざる
撮影:ワタシト編集部

竹ざるは工業製品ではありません。一つひとつ、人の手で編まれています。だからよく見ると、編み目にも少し個性があります。最初は明るい竹の色をしていますが、使い続けるうちに少しずつ飴色に変わっていきます。新品の頃もきれいだけれど、私は少しくたびれてきた頃の方が好きです。

長く使う道具って、新品の状態が完成形ではないのかもしれません。時間を重ねながら育っていく。そんな感覚があります。

手間があるから、愛着がわく

もちろん、竹ざるは万能ではありません。使ったあとはしっかり乾かした方がいいし、湿ったまま放置するとカビも出ます。食洗機にも入れられません。でも、その少しの手間を面倒だと思ったことはありません。

洗って乾かして、また使う。

その繰り返しの中で道具との距離が近くなっていく気がします。
便利すぎる道具って、ときどき存在を忘れるがち。竹ざるは逆です。電子レンジの横に立てかけてある姿を見るたび、「あ、今日も働いてるな」と思うんです。

暮らしを整えるのではなく、少し気持ちよくする

竹ざるに置いた食器
撮影:ワタシト編集部

竹ざるというと、整った暮らしの象徴のように見えるかもしれません。でも実際は、もっと気楽な道具です。暮らしを劇的に変えるわけではありません。けれど、ふと台所を見るたびに少し気分がいい。長く使う道具って、たぶんそういうものなのだと思います。

毎日欠かせないわけではないのに、気づけば手が伸びている。
竹ざるは私にとって、名脇役のような暮らしの道具です。

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長く使う、ずっと使う

※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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執筆者
ライター
おだりょうこ
猫と旅、音楽と映画で形成されたライター&エディター。旅欲が止まらない旅ジャンキー。料理は作るの食べるのも好き。日々の暮らしにひとさじほどの丁寧さを意識することを心がける日々。
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