
エアコンのコンセントの注意点は?取り付け前にチェックすべきポイント
エアコンを新しくしようとする際、スペックや取り付け方などを気にすると思いますが、見落としがちなのがコンセントまわりの確認。実は、コンセントは、エアコンを取り付ける上で最難関ともいえる問題なんです…!今回は、エアコンのコンセントの基本情報やコンセント増設工事について解説してします。
目次
エアコンには専用のコンセントが必要

現在、市販されているエアコンは専用のコンセントがないと使えないようになっています。では、なぜエアコン専用のコンセントが必要なのでしょうか?ここでは、エアコン専用コンセントが必要な理由や通常のコンセントとの違いについて解説していきます。
エアコンに専用コンセントが必要な理由
そもそも、エアコンにはなぜ専用のコンセントが必要なのでしょうか。実は、エアコンに通常のコンセントを使ってしまうと、ブレーカーが落ちたり、最悪の場合火災につながったりする可能性もあります。エアコンは、家電の中でも特に使用する電力が多いので、通常のコンセントでは電力をまかないきれないんです!
そこで登場するのが、エアコン専用のコンセント!エアコンに使う電力にも耐えられるよう作られているので、事故が起こる確率を限りなくゼロに近づけることができます。火災などの事故が起こらないように、エアコンのコンセントは必須というわけなんです。
通常のコンセントとの違い
| エアコン専用コンセント | 通常のコンセント | |
| 回路 | 専用の回路が割り当てられている | 複数のコンセントが共有 |
| 電力量 | 単独で使えるため電力量は大きい | コンセント1つ当たりの電力量は少なめ |
通常のコンセントの場合、コンセントの数だけ回路があるのではなく、1つの回路を複数のコンセントが共有しています。そのため、通常のコンセントは電力を分け合うような形で成り立っており、コンセント1つ当たりの電力量は少なめです。
一度に大量の電力を使ったり、回路が同じコンセントを同時に使ったりすると、ブレーカーが落ちることもあります。電子レンジやドライヤーなどを同時に使って、ブレーカーが落ちてしまい、部屋が真っ暗になった経験もあると思います。
これに対して、エアコン専用コンセントの場合は、専用の回路が割り当てられるため、他のコンセントと電力を分け合うことなく単独で使うことができます。そのため、エアコンの運転に必要な大量の電力も確保することができるのです。
プロに聞いてみた
「ユアマイスター」では、エアコン取り付けのプロに「 エアコンを取り付ける際、エアコン専用のコンセントではなく、普通のコンセントでつなぐことは出来ますか?」と聞きました!
有限会社佐藤商工さん(東京都)
福田クリーンサービスさん(静岡県)
やはりエアコンを使う場合は、エアコン専用コンセントが必要なようです。エアコンの稼働に通常のコンセントを使ってしまうと、ブレーカーが落ちるだけでなく、発熱や火災の原因となる可能性もあります。安心安全にエアコンを使うためにも、エアコン専用コンセントを使うようにしましょう!
エアコンのコンセントに延長コードはNG
エアコン専用のコンセントに延長コードを使用するのは絶対にNG。延長コードには、「最大許容電力」というものがあり、一般的なコンセントよりもやや低めになっています。簡単にいうと、耐えられる電力量が小さいので発熱が起こりやすいということ。便利だからといって延長コードを使用しようとするのは、絶対にNGだと覚えておきましょう!
エアコン専用コンセントの見分け方

エアコン専用のコンセントと言われても、それがどこにあるのか、どのような形状をしているのかわからないですよね。そこで、ここではエアコン専用コンセントの見分け方について紹介していきます。
位置と形状
エアコン専用コンセントを見分けるポイントは「位置」と「形状」です。通常のコンセントは壁の下の方についていますが、エアコン専用コンセントはエアコン近くの壁の上の方についています。エアコンの電源コードは短いため、コードが届く範囲に設置されいています。
また、エアコン専用コンセントは、コンセントの穴の形状も特徴的です。通常のコンセントは穴が2つですが、エアコン専用コンセントの場合は、穴が3つあることもあります。また、通常は2~3個あるプラグの差し込み口が、エアコン専用コンセントの場合は1つしかない場合がほとんどです。
ただし、稀に壁の上の方にあるにもかかわらず、エアコン専用コンセントではない場合もあります。また、建物が古い場合などは、エアコン専用となっていても、専用の回路が通っていない可能性もあるので注意が必要です。エアコンのコンセントを間違えると、ブレーカーが落ちたり、故障や火災の可能性もあるため、見分けるのが難しい場合はプロに確認してもらいましょう。
形状が異なる理由
エアコン専用コンセントの形状が通常のコンセントと異なる理由は、電圧の種類にあります。家庭用のコンセントには、100V用と200V用のものがあり、一般的な家電製品は100V用、エアコンのような電力が大きいものは200V用にコンセントを使うのが基本です。
コンセントの穴が全て同じ形状だと、100Vと200Vの見分けがつかず、どのコンセントを使えばいいのかわからなくなってしまいます。接続の間違いによる故障や火災などの事故を防ぐためにあえて形状を変えているわけです。コンセントの電圧と使用電力があっていないと故障や事故の原因になる可能性もあるので注意しましょう。
エアコンの専用コンセントでチェックすべき3つのポイント

・コンセントとエアコンの電圧・電流が合っているか
・コンセントとエアコンの電源プラグの形状が合っているか
エアコンを取り付ける際、コンセントに関してチェックすべきポイントが3つあるので、基礎知識として覚えておきましょう。それぞれ詳しく確認していきます!
エアコン専用の回路であるか
まずは、使用するコンセントが、本当にエアコン用のものか確認しましょう。一般的には、壁の上部についていれば、エアコン専用のコンセントの可能性が高いです。また、エアコン専用のコンセントの回路は、通常のコンセントと違い、ブレーカーに単独で接続されています。
そのため、エアコン専用の回路であるかを、分電盤を見て確認できるんです!分電盤には、各ブレーカーがどこにつながっているか分かるよう、「エアコン」とラベルが貼られていることがあります。ラベルがない場合でも、ブレーカーを使って、エアコン専用の回路を確認できますよ。
エアコン用と思われるブレーカーを落とし、その他のブレーカーをすべて入れた状態にすれば、停電している場所の有無がわかります。停電している場所がなければ、そのブレーカーは確実にエアコン用だとわかるというわけです。
コンセントとエアコンの電圧・電流が合っているか
実は、エアコンのコンセントは、電圧・電流によっていくつか種類があるんです。そのため、エアコンを設置する部屋の広さや、電圧・電流を確認しましょう。部屋が広くなればなるほど、より多くの電圧・電流が必要になるので、部屋の広さによってコンセントも違うんです。一般的には4種類があります。
エアコンコンセントの種類
| 部屋の広さ | 形状 | |
| 100V15A | 6~8畳 | 縦の穴が2つ |
| 100V20A | 10~12畳 | 片方の穴がL字型 |
| 200V15A | 12畳以上 | 穴が3つ |
| 200V20A | 16畳以上 | バラバラな形の穴が3つ |
コンセントの電圧・電流を確認したうえで、対応しているエアコンを取り付ける必要があります。コンセントを間違えると、故障や事故の原因となる可能性もあるので注意しましょう!
コンセントの形状とエアコンのプラグの形状
プラグの形状も、エアコン専用のコンセントの種類によってそれぞれ異なります。それぞれ、通常のコンセントとは違い、特殊な形をしていることが特徴。コンセントとエアコンの電源プラグの形状が合うのかも、しっかりチェックが必要になるんです。
・100V20A:アイエル型
・200V15A:ダンデム型
・200V20A:エルバー型
コンセントとエアコンの電源プラグが合わないと、そのままでは設置できないので要注意です。コンセントをしっかりと確認して、穴の形状にあったプラグを選びましょう。
200Vのコンセントを使うのに必要な条件

12畳以上の広い部屋に対応したエアコンを使うには、200Vのエアコン専用コンセントが必要です。しかし、すべての家で200V用のコンセントが使えるわけではありません。契約している電気量を見直したり、分電盤を変える必要がある場合もあります。ここでは、200Vのコンセントが使える条件について解説していきます。
電圧線が単相三線式である
200Vのコンセントを使うには、電圧線が「単相三線式」である必要があります。築年数の浅い家なら、基本的には単相三線式になっていますが、古い家の場合は単相二線式の可能性があります。単相三線式かどうかわからない場合は、分電盤に接続されている電気配線の本数をチェックしましょう、
赤・白・黒の3本の電気配線があれば、単相三線式です。白と黒しかない場合は単相二線式なので、電圧交換の工事が必要になります。電圧交換には、電気工事士の資格が必要です。電圧交換工事が必要な場合はプロに頼みましょう。
契約電気容量は30A以上か
エアコンを不具合なく安全に使うためには、30A以上の電流が必要です。先ほどの表にもあるように、エアコン1台に必要な電力は15Aか20Aです。もし、同時にドライヤーや電子レンジを使ったり、2台以上のエアコンを使う場合は、30Aではブレーカーが落ちてしまい使えません。分電表を見て30Aやそれ以上のアンペア表示があるか確認しましょう。
契約電気容量を色で判別している場合もあるので、表記がない場合は、契約している電力会社に確認しましょう。「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」や領収書からも契約電気容量は確認できます。ただし、地域や電力会社によっては、アンペアごとの契約ではないこともあるため、まずは自宅の契約プランを確認しましょう!
分電盤に「専用回路」があること
前述の通り、エアコンは多くの電力を使うため、1台ごとに他のコンセントは別の専用回路が必要です。分電盤の中に「エアコン」書かれたブレーカーがあれば、それが専用の回路なので、問題なく使えます。
専用回路がない場合でも、空いている回路があれば、簡単な工事で使えるようになります。工事が必要な場合はプロに相談しましょう。エアコン専用の回路も、空いている回路もない場合は、分電盤を増設する必要があります。その場合も、プロにお願いをして、分電盤を増設してもらいましょう。
専用コンセントがないときはプロに頼もう!

エアコンには専用のコンセントが必須!もし家にない場合は、新たに専用のコンセントを増設する必要があります!最近では、エアコン専用のコンセントがない場合には、エアコンの取り付けを拒否する業者さんがほとんどなんだとか。新たにエアコンを取り付けたい方は、コンセントも増設する必要があります。
専用のコンセントを増設する際には、電気工事士の資格が必要になるので、信頼できる業者さんを探してお願いしてみてくださいね。
エアコン取り付けをプロにお願いするならユアマイスターがおすすめ!お住いの地域から、あなたにあったプロを探すことができますよ!作業内容やお悩み相談なども以下のリンクから見れるので、ぜひ目を通してみてください。
専用のコンセントがなくてもエアコン取り付けはできる?
エアコン取り付けのプロに「エアコンを設置したい箇所にエアコン専用のコンセントがないのですが、そういう場合でもエアコン取り付けを業者さんにお願いすることが出来ますか?」と聞きました!
便利屋アレックスさん(長野県)
よかね~設備さん(福岡県)
エアコン専用コンセントがない場合はやはり、工事をしてエアコン専用のコンセントをつける必要があるようです。ただし、100Vのエアコンであれば、試運転のみできる場合もあるようです。ですが、基本的にはエアコン専用のコンセントが必要なようなので、まずはプロに相談してみましょう!
エアコン専用コンセントの工事費用
エアコン専用コンセントの工事内容は主に3種類。コンセントがない場所に増設をしたい場合は、分電盤から天井裏などを使って、ケーブルを通す必要があり、施工に手間や時間がかかるので、費用も少し高めです。
また、エアコン設置当日に合わせてコンセント工事ができるように、事前に業者さんと相談しておきましょう。エアコンの取り付けとコンセント工事を別日に行うと、その分出張費用などがかかってしまいます。
専用コンセントの増設
エアコン専用のコンセントがない場合は、コンセントを新しく増設する必要があります。専用のコンセントの増設にかかる費用は、分電盤からコンセントまでの距離や壁に穴をあけう必要があるかどうかなどによって変わってきます。費用の相場は約12,000~16,000 円程度なので、最低でもそれくらいかかると考えておきましょう。
形状の違うコンセントに交換
コンセントの形状のみを交換する場合は約2,000~3,000円で工事可能です。使用するエアコンのコードに合わせて、適した形状のコンセントに変えてくれます。
エアコンの設置当日に「コンセントの形状が合わない」ことが判明して、工具が足りず、作業できないなんてこともあります。このような2度手間を防ぐためにも、あらかじめコンセントの形状、電圧、アンペア数などを確認し、業者さんに連絡しておきましょう!
コンセントの電圧変更
コンセントの電圧交換の場合は、約2,000~5,000円で工事できます。100Vから200Vに変更する場合、前述した「単相三線式」という3本の電線を引き込む必要があります。エアコンの出力に合わせてアンペア数を上げることで、コンセントが使えるようになります。
電圧によって、エアコン取り付けの費用は異なる?
エアコン取り付けのプロに「エアコンのボルト数が100Vと200Vとでは、取り付けに発生する料金は異なりますか?」と聞きました!
よかね~設備さん(福岡県)
有限会社佐藤商工さんさん(東京都)
100Vと200Vで取り付け費用が変わることはないようです。しかし、コンセントの形状や電圧がエアコンと異なっていた場合は工事が必要で、その場合は別途料金がかかります。
エアコン専用コンセントのQ&A
ここでは、エアコン専用コンセントやエアコン取り付けに関する疑問について解説していきます!
エアコン取り付けは自分でできる?
結論から言うと、エアコン取り付けは自分でやらない方がいいです!エアコン取り付けには専門的な知識や場合によっては資格も必要になってきます。エアコンを取り付けたい場合は、プロにお願いすることをおすすめします。
以下の記事では、エアコン取り付けは自分でできるのかについてより詳しく解説しています。「エアコン取り付けを自分でやりたい」「エアコン取り付けをプロに頼むか迷っている」という方はぜひ参考にしてください。
あわせて読みたい:エアコンの取り付けは自分でもできる!条件とやり方、プロからのアドバイス
賃貸の場合はどうする?
賃貸物件に住んでいて、エアコンを新設したり、買い替えをしたい場合は、必ず管理会社や大家さんに連絡しましょう。エアコンが必要と判断された場合、設置費用などを負担してくれるかもしれません。逆に、勝手にエアコンを設置したり、コンセントを交換したりすると、トラブルに発展しかねません。必ず確認の連絡をするようにして、無駄な出費やトラブルを避けましょう。
まとめ
今回はエアコンのコンセントの基本情報やコンセント増設工事について解説していきました。エアコンには専用のコンセントが必要です。通常のコンセントを使うと事故や故障につながる可能性があるので、気をつけましょう!エアコン専用コンセントを増設したい場合などは、まずはプロに相談をしましょう。
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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