
ふすまの張り替えはプロにお任せ!職人技でキレイに仕上がり工程を密着取材してみた
ふすまって、少しでも汚れていたり穴があいてたりしたら気になりますよね。穴が開いてボロボロ、日焼けで変色して見栄えが良くない、子どもの落書きや、シミ汚れ…。こんなお悩みありませんか?そろそろ張り替えたいけどやり方がわからない、誰に頼めばいいかわからない。そんな方に、嬉しいお知らせ!ふすま張り替えを、職人さんに依頼できるサービスがあるんです。職人さんの作業を写真付きでご紹介します。
ふすま張り替えをしてくれる「張替本舗金沢屋」さん

今回、作業を担当したのが張り替え専門店「張替本舗金沢屋」の片山さん。以前は、携帯電話を販売する営業マンだったのだそう。新しいことに挑戦しようとこの仕事を始めて、今では新人さんを教育するトレーナーを務めています。笑顔が素敵な爽やか系イケメンです。
なぜふすまの張り替えを職人さんに頼むのか

ふすま張り替えを自分でやったことある人ってなかなかいませんよね。やり方を調べてみると結構出てくるのですが、「空気が入ってふすまがシワシワになった」「接着が上手くいかず時間が経ってはがれた」なんて声も多いんです。
そんな風に失敗して、お金も時間も無駄にしてしまうのはもったいない!それなら、職人さんに頼んで綺麗に張ってもらいたいですよね。
また、ふすまにはさまざまな種類があります。自分でどんなふすまが合うのか見極めるのも難しいですよね。職人さんなら、あなたの家に合ったふすまをデザインや予算に合わせて提案してくれるのも魅力の一つです。
ふすま張り替え作業の流れ
ふすまの張り替え作業はこのような感じで進んでいきます。

そして、この作業に必要な道具がこちら。

1. スポンジ
2. 霧吹き
3. ハンマー
4. ポンチ
5. ふすまバール
6. 竹べら
7. カッター
8. ハサミ
9. マグネットポンチ
ふすまを引き取る

注文を受け次第、日程を調整してお客さまのお宅を訪問します。カタログを見てお好みのふすまをお選びいただいたら、作業のためにふすまを車で作業場に持ち帰ります。
ふすまの枠を外す
1.引手を外す

ふすまバールを使い、テコの原理で取り外します。引き手の素材によっては、どうしても壊れてしまうものもあるのだそう。
ちなみに、引手はふすまの状態によっては新しいものを取り付ける場合もあります。ついている引き手を活かす場合は、取り外すときに細心の注意が必要です。
2.枠を外す

まずは、上下の枠から。ポンチをハンマーで軽く打ち込み、枠を少し浮かせます。空いた隙間にふすまバールを差し込みグッと力を入れると枠を取り外せます。
左右の枠は釘に沿ってスライドさせるとパッと外れます。
実は、ふすまって住んでいる地域によって構造が違うんです。地域によっては、施工内容が変わる可能性もあります。この構造の違いを見極めて、あらゆる張り替えをこなすのも職人さんならではの技です。
新しいふすまを張り直す
1.紙をカットする

ふすまのサイズに合わせて、カッターでふすま紙をカット。切る際にはPC定規という、手元が見える透明で大きな定規を使います。
2.接着面を湿らせる

ふすま紙の接着面を、水で湿らせます。スポンジに水を含ませて、全体にまんべんなく広げていくのがポイントです。
3.仮留めする

ふすま紙を壁に斜めに立てかけて、ふすま上部を仮留めします。その上で、安定したところでふすま下部も仮留めしていきます。
貼っている途中も、ふすま紙が乾く前に霧吹きします。
4.ふすま紙に切り込みを入れる

一般的なふすまは、ふすまと枠をくっつけるのに「隠し釘」が使われていて、ふすまの両側から釘が頭を出しています。張り合わせた時にこの釘が隠れないよう、ふすま紙にハサミで切り込みを入れます。
5.貼り合わせる

ふすま紙を上から手でなぞって、貼り合わせていきます。ふすまの両側は釘があるため、竹べらを使い細かい部分もしっかり接着!
ふすまの上下をひっくり返して、同じ作業をもう一度繰り返します。
貼り合わせる際、溜まった空気をしっかり抜きます。
6.乾燥させる

最後にもう一度、霧吹きで全体を湿らせます。これも、ピンと張ったふすまにするためのひと工夫。ふすまを裏にして壁に立てかけ、半日かけてゆっくり乾燥させます。
ふすまの枠を取り付ける
1.引手部分に穴を開ける

引手を再度取り付けるために、「*」マーク形にカッターで切り込みを入れて穴を開けます。
2.枠をはめる

取っておいた枠を、取り外した時とは逆の手順で取り付けます。枠は上下を間違えないように注意が必要。ハンマーで叩いて、左右の枠、上下の枠、の順で取り付けます。
3.引手をはめる

仕上げは引手。さっき開けた穴に、引手を合わせハンマーで軽く叩きます。位置を調整したら、マグネットポンチで小さな釘を打ち込み固定します。実はこの道具、先端が磁石になっていて、釘がくっつくようになっているんです!
納品する
1.張り替えたふすまを運び込む
ふすまが車内で傷ついたり破れたりしないよう、バンドで留めて運搬します。
2.ふすまを納める

張り直したふすまを元通りに納め、お客さまに確認いただいたら全ての工程は完了です。
ちなみに、ふすまを納める際にテレビ台が邪魔をしていたのですが、台を動かしたところ少々ホコリが…。お客さまが掃除機をかけようとすると、片山さんが「掃除機かけますよ!」とすかさずフォロー。ただ納品するだけではなく、お客さまへのプラスαの価値を提供する姿勢、さすが職人さんです!
ふすまの張り替えを終えて

職人さんのふすま張り替えでは、のりと水を絶妙に組み合わせて、高い接着力を生み出します。
また、ふすまの両側・四隅まで丁寧に張り付けることできれいにピンと張ったふすまに仕上がるんです!素人にはわからない細かなこだわりや技が、きれいで長持ちするふすまを実現させるんですね。
職人さんから一言

自分の張り替えたふすまをお客さまにお返しするときに、「ありがとう」と言っていただけることがあります。張り替えの仕事が人の役に立っていると実感できるので、この言葉を聞くたびに、この仕事にやりがいを感じます。
今後、インターネットを通じてこれまで「和」に興味を持っていなかった若い世代にも日本の伝統文化を知ってもらうきっかけになったら嬉しいです。
まとめ
今回は職人さんのふすま張り替えについて、張り替え専門店「張替本舗金沢屋」の片山さんに伺いました。気になった方は、ぜひ「張替本舗金沢屋」さんにふすま張り替えを頼んでみてください!
片山さん、取材にご協力いただき、本当にありがとうございました!
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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